経済の話題

日本政府は本当に「バラマキ」をやってきたのか?


「バラマキ」という主張の再検証

  • 一部では、「日本政府は財政支出を拡大しすぎて経済成長が停滞した」という見方が根強い。
  • しかし、実際のデータを見れば、この主張は間違いである。

財政支出と経済成長の相関関係

  • 主要31か国(1997年~2017年)の財政支出の伸び率とGDP成長率を比較。
  • 経済成長率と財政支出の伸び率には明確な相関がある。
  • 日本は財政支出の伸び率もGDP成長率も最も低い国に分類される。
  • 日本の立ち位置
    • 他国と比較して、経済成長が停滞しているだけでなく、財政支出もほとんど拡大していない。
    • このデータは、「日本はバラマキを続けた」という主張を完全に否定する。

相関と因果関係

  • 反論として、「図6は相関関係を示しているだけで、財政支出を拡大すれば経済が成長するとは限らない」という指摘がある。
  • しかし、因果関係については、これまでに議論した シュンペーターの経済発展の理論貨幣循環理論 によって説明がつく:
    • 財政支出拡大=貨幣供給の増加=経済活動の活性化
    • 貨幣循環が正しく機能すれば、デフレ脱却と経済成長が促進される。

「緊縮財政国家」としての日本

  • 世界的な視点で見れば、日本はむしろ「緊縮財政国家」だった。
    • 他の主要国は、財政支出を拡大し、経済成長を実現している。
    • 一方で、日本は財政支出を抑制し続け、その結果、経済成長を阻害してきた。
  • 緊縮財政がもたらした影響
    • 貨幣供給の不足。
    • デフレ圧力の継続。
    • 経済成長の停滞。

結論

  • 日本政府が「さんざんバラマキをやってきた」という前提は誤り。
  • 実際には、日本は財政支出を抑制し続け、経済停滞を招いてきた。
  • 他国との比較を踏まえると、日本の経済停滞は緊縮財政の結果であることが明白。

「バラマキ」という言葉で経済政策を批判する前に、まずは事実を直視する必要がある。