健康の話題

筋肉にも種類がある?遅筋・速筋・筋線維の仕組みと健康づくりへの活かし方

多くの人が悩んでいるので、今回はその解決策をお伝えします。

「筋肉って全部同じじゃないの?」
「筋トレするとムキムキになるのかな?」

そんな疑問を持っている方もいるかもしれません。
でも実は、筋肉にも種類があり、働き方や鍛え方によって得られる効果が違うんです。

今回は、「筋線維(筋肉を構成する繊維)」に着目して、筋肉の種類と特徴、健康づくりにどう活かせるのかをわかりやすく解説していきます。

筋肉は「筋線維」の束でできている
筋肉は、細い糸のような「筋線維(筋細胞)」が束になってできています。

昔は、見た目で赤っぽい筋肉を「赤筋」、白っぽい筋肉を「白筋」と分けていました。
その後、研究が進み、赤筋は「持久力」、白筋は「瞬発力」に優れていることがわかり、「遅筋」と「速筋」と呼ばれるようになりました。

さらに、顕微鏡などの技術が発達し、筋肉の細かい違いが明らかになったことで、現在では次のように分類されています。

筋線維の3つのタイプ
① タイプⅠ線維(SO線維)=遅筋
✔️ 長時間、力を出し続ける「持久力」に優れる
✔️ ウォーキングやジョギングなど、長く動き続ける運動で活躍
✔️ 赤っぽく見える筋線維(ミオグロビンが多いため)

② タイプⅡA線維(FOG線維)=速筋(中間型)
✔️ 持久力もありつつ、ある程度強い力も出せる「バランス型」
✔️ 長距離走や筋トレなど、負荷のかかる運動で働く

③ タイプⅡX線維(FG線維)=速筋
✔️ 一瞬で大きな力を発揮する「瞬発力」に特化
✔️ 短距離走やジャンプなど、瞬間的に力を出す場面で活躍
✔️ 白っぽく見える筋線維

※タイプⅡB線維という分類もありますが、これは主にウサギなどの動物に見られるもので、人間には存在しないことがわかっています。

筋線維は人それぞれ比率が違う
これらの筋線維は、すべての筋肉に混ざって存在しています。
ただし、筋肉の種類や個人の体質によって「持久型が多い人」「瞬発力型が多い人」など、割合には違いがあります。

例えば、マラソン選手はタイプⅠ線維(持久力型)が多く、短距離選手や筋力系スポーツ選手はタイプⅡ線維(瞬発力型)が多いと言われています。

また、加齢とともに瞬発力を担うタイプⅡ線維が萎縮しやすいこともわかっています。
そのため、高齢になると「つまずきやすい」「パッと動けない」と感じる人が増えるのは、筋線維の変化が関係しているんです。

筋線維の特性を知って、効率よく鍛えよう
普段の運動やリハビリでは、これら筋線維の特徴を活かしてアプローチすると、より効果的になります。

例えば…

✔️ タイプⅠ線維を鍛えたい → ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの有酸素運動
✔️ タイプⅡ線維を鍛えたい → スクワット・段差昇降・ダッシュなどの筋力トレーニングや瞬発的な運動

年齢を重ねると、特にタイプⅡ線維が衰えやすいため、「筋力を維持するトレーニング」を取り入れることが重要になります。

まとめ
筋肉は「持久力タイプ(遅筋)」と「瞬発力タイプ(速筋)」に分かれ、さらに細かく3つの筋線維に分類されます。

✔️ タイプⅠ線維(遅筋)…持久力、歩く・長く動く運動
✔️ タイプⅡA線維(速筋・中間型)…持久力+瞬発力、筋トレや長距離運動
✔️ タイプⅡX線維(速筋)…瞬発力、短距離やジャンプ運動

年齢とともに瞬発力を担う速筋が衰えやすいため、「歩く+筋トレ」など、バランスよく運動を取り入れることが健康維持につながります。

筋肉の仕組みを知ると、運動の意識も変わるはず。
今日から、目的に合わせた運動で「一生元気に歩ける体づくり」を始めてみませんか?

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。