通貨発行=ハイパーインフレは誤解!?ジンバブエと日本は全然違うという話
多くの人が悩んでいるので今回はその解決策をお伝えします。
「減税したら円安になる!」「通貨を発行したらジンバブエみたいなハイパーインフレになる!」…そんな声をよく聞きます。でも、それって本当なんでしょうか?
今回は、「通貨発行とインフレ」について、冷静にシンプルに考えてみましょう。
お金は“物”じゃない。だから価値の下がり方も違う
まず、「モノが増えれば価値が下がる」という考え方は一理あります。日本では水が安く買えるのは、水が豊富にあるから。逆に砂漠では水の価値は高くなりますよね。
でも、ここでありがちな勘違いが、お金を“モノ”と同じように考えてしまうこと。実はお金は、商品を交換するための「ただの道具(ツール)」であり、それ自体に本質的な価値はありません。
お金の例えとしては「水を入れるペットボトル」が分かりやすいでしょう。ペットボトルが増えても水の価値は下がりません。むしろ、たくさんのボトルがあれば、より多くの水を流通させられます。お金も同じで、流通量が増えることで経済は活性化するのです。
インフレは「通貨発行のせい」ではない?
通貨を発行すれば、たしかに**お金の流通量が増えて消費が活性化し、結果的に物価が上がる(=インフレ)**可能性はあります。でもそれは「経済が元気になった証」であり、決して悪いことではありません。
実際、年2%程度のインフレは「理想的な経済状態」とされており、これをデマンドプル型インフレといいます。景気回復→所得増→消費増→価格上昇、というポジティブな流れです。
「悪いインフレ」とは何か?ジンバブエの事例から学ぶ
問題なのは、景気が悪いまま物価だけが上がるコストプッシュ型や、供給力そのものが失われて物価が高騰するサプライロス型のインフレ。
ジンバブエが陥ったのはまさに後者。白人経営の農地を強制没収し、産業が壊滅。物がなくなったことで物価が急騰し、そのたびに政府が通貨を乱発。これが加速し、2008年には年2億%という異常なハイパーインフレになったのです。
つまり、ジンバブエのハイパーインフレの原因は「通貨発行」ではなく、**供給能力の崩壊(サプライロス)**にあったのです。
日本はジンバブエとは真逆の状況
一方、今の日本はどうでしょう?
産業はまだ残っているのに、通貨の供給量が少なすぎて経済が回らない=デフレ状態です。政府は30年にわたって増税と緊縮政策を繰り返し、国民は貧困化。供給力があるのに通貨が足りない、そんな異常事態が続いています。
このまま何もしなければ、やがては供給力そのものが失われ、本物のハイパーインフレを招くリスクも出てきます。
お金が増えて困ることなんてある?
最後に、シンプルに考えてみましょう。
給料が増えて困りますか?
企業に融資が増えて倒産しますか?
答えは「NO」です。
お金は道具です。必要なところに、必要なだけ供給されてこそ、国の経済も、私たちの生活も豊かになるのです。
「通貨発行=悪」「ハイパーインフレになるぞ」という言説には、もう振り回されないようにしましょう。
この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。