【成長を資本に変える】失敗の振り返りに“タイムマシン”が効く理由とは?
多くの人が悩んでいる「失敗やトラブルの振り返り方」。今回はその解決策として、“あるフレーズ”を使った効果的なアプローチをご紹介します。
ダメ出しだけじゃもったいない!振り返りの落とし穴
フィードバックという言葉には、「資本(糧)を与える」という意味があります。にもかかわらず、仕事で失敗やトラブルが起きたとき、どうしても「ダメだった点」ばかりに目がいってしまいがちですよね。
しかも、「俺たちの時代はさ…」なんていう武勇伝が始まってしまうと、もう前向きな振り返りどころではありません。
そんなときに使えるのが、「タイムマシンが使えるとしたら、どのタイミングまで戻る?」という一言です。
これは、お笑い芸人・ぺこぱの松陰寺さんが言う「時を戻そう」に似た感覚で、会話の中に柔らかさと想像力を加えてくれるフレーズです。
タイムマシンで“あの瞬間”に戻る問いかけ
失敗やトラブルには、実は前兆や原因となるポイントが潜んでいることが多いです。
たとえば、
- 「お客様から同じ確認が3日連続であった」
- 「再チェックすべきと思ったけど、忙しくて流してしまった」
このような“小さなサイン”は、当事者自身も意外と覚えています。
だからこそ「どのタイミングまで戻りたい?」と聞いてみると、自然に「あの時かも」と会話が始まりやすくなるのです。
さらに効果的なのが、少し間をおいてから「その場面がもう一度あったら、どんな対策ができそう?」と聞くこと。
こうした問いかけは、相手に“自分で考える”きっかけを与え、前向きな気づきを引き出します。
これがまさに、「経験を資本(糧)に変える」ための第一歩なのです。
大人の成長こそ、最大のエンタメ!
子ども時代の成長は、目に見えて分かりやすいですよね。ハイハイから立ち上がる、逆上がりができるようになる…。
でも、大人になると成長が見えにくくなり、「自分はこのままでいいのかな」と不安を抱える人も多くなります。
特に、新入社員や異動後のような新しい環境で感じていた「成長実感」も、仕事に慣れるとどんどん薄れてしまうもの。
結果として、「この会社ではもう成長できない」と感じた若手社員の“びっくり退職”につながるケースも増えています。
慶應義塾大学の高橋教授によれば、「働きがい」を感じる要素は以下の3つ。
- 成長実感:今、自分が成長しているという手応え
- 成長予感:未来の自分がどう成長するか想像できること
- 誇り・愛着:会社に対して誇りを持てること
このうち、なんと2つは「成長」がキーワード。だからこそ、組織として「成長を感じられる環境づくり」が重要なんです。
成長が楽しいのは、脳がそう感じているから
実は「成長が嬉しい」と感じる背景には、私たちの脳内で分泌される物質が大きく関係しています。代表的なのはこの4つ。
- ドーパミン:目標を達成したときに出て、やる気や快感を生む
- エンドルフィン:幸福感をもたらし、ストレスを和らげる
- オキシトシン:信頼や絆を深めるホルモンで、チームの一体感に関与
- セロトニン:感情を安定させ、落ち着きをもたらす
これらの物質は、私たちが「やった!」と達成感を覚えたときに分泌され、次のチャレンジへのモチベーションにもつながっていきます。
つまり、成長を感じること自体が、私たちの心と体に良い影響をもたらす自然な仕組みなのです。
まとめ:経験を資本に変えよう
「失敗」は、ただ注意されて終わり…ではもったいない!
タイムマシンのように少し過去に戻ってみることで、未来につながる対策を一緒に考えることができます。
そして、こうしたフィードバックを通じて“見えにくい大人の成長”を「可視化・言語化・資本化」していく。
それが個人のやりがいを高め、組織のエンゲージメントを強化するポイントなのです。
この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。