金融の話題

FIREの概念とずれている人も?

はじめに

FIREの概念などは、
米国の情勢を元に、
発展してきました。

発想の原点はとしては
「経済的自立」が目標です。

ただ日本では最近、
仕事をやめるためにFIREしたい。
などをよく聞きます。

そこで改めて、前述の
『お金か人生か』の内容から
FIREムーブメントの原点について
確認してみましょう!

実現するための9つのステップ

「自分の人生をコントロールするために、
お金に頼る生活からあなたを解放してくれるもの。
そのすべてが経済的自立」として、
実現するための9つのステップが
提唱されています。

詳細については割愛しますが、
大きく分けると、

  • 「仕事をするために必要な時間とお金、
    両面でのコストを計算し、
    実質時給を計算する」
  • 「毎月の支出表を作る」
  • 「支出の最小化」(節約や消費行動の見直し)
  • 「収入の最大化」(副業など)

が推奨されています。

クロスオーバーポイントの簡単な求め方

経済的自立に関する具体的内容については
ステップ8で出てきます。

ここでは、
投資収入のラインが支出のラインと
クロスするとき(クロスオーバーポイント)、
お金のための仕事を続けるかどうか、
正式に選択肢になる、としています。

そのため経済的自立に到達するまでに、
残りどれくらいの期間を
働かなければならないのかが
おおむね予測できるようになります。

ただし、このクロスオーバーポイントを
見つけるまでのステップは、
膨大な作業が必要になるため、
難しい問題であるとされていました。

そのため、
便宜的に前述の4%ルールを利用して、
FIREムーブメントの著名なブロガーである
ミスター・マネー・マスタッシュさんが
「年間支出の25倍の資本を稼いだとき、
クロスオーバーポイントに到達する」と
発表しました。

「25倍の状態が4%の引き出し率を
亡くなるまで継続できる地点」と設定しました。

ちなみに最後のステップ9で、
経済的自立に到達した後の投資に
ついても触れられています。

長期的に自分の資金をしっかりと
管理するのがポイントで、
手数料の安いインデックスファンドが
奨励されています。

結局、この本の内容では、
「経済的自立」を目的にした生き方の提案であり、
「早期退職」はその結果の1つにすぎない、
ということがわかります。

FIREルールに潜む注意点

日本で話題となっているイメージだけで
FIREを捉えず、
多様な主張を知っておくことであったり、
いくつかの注意点について
知ることも重要です。

注意点としては、
FIREの基本ルールは
米国のインフレ率や株式市場の成長率を
基にしており、
日本にそのままあてはまらない点があります。

投資利回りはインフレ調整・税引き後の
実質利回りであることも重要になります。

現在の日本の低いインフレ率となる経済不況や
米国とは異なる貯蓄や投資に対しての行動であったり、
消費マインド、年金制度なども考慮することが重要です。

資産を築くのに人気の高い米国株であったり、
米国ETFに投資する場合は
為替リスクも考えなければなりません。

意外と為替リスクなどを
わからないまま、
購入されている友人もいたので、
改めて自身で確認してみることも
重要です。

また米国のFIRE書籍などでは、
収入に対して貯蓄率50%を推奨している例もあり、
高い収入水準での高い貯蓄率が言われています。

そのため低所得者では
遂行が難しく、高い貯蓄率にこだわるあまり、
意図せず自己投資や
子どもの教育費などを削減する方も
いると言われています。

長期的に見て、自分の稼ぐ能力が低下する、
子どもの成長可能性を狭めてしまうことは、
本意であるのか?という懸念もあります。

さらによく言われる人生100年と考えれば
仮に40歳でリタイアしたとすると、
60年ほども生活が続くことになりますが、
FIREルールがこの先、
長期にわたって有効かは
まだ実証できていないのも事実です。

会社員・公務員がリタイアする場合は
厚生年金の加入期間が短くなるため、
将来の年金額が減ることも見過ごせません。

『厚生年金の金額って
どのように出すんだったっけ?』
という方はこの機会に調べてみることを
おススメします。

まとめ

  • 経済的自立とは自分の人生を
    コントロールするために、
    お金に頼る生活から
    あなたを解放してくれるもの
  • 年間支出の25倍の資本を稼いだとき、
    クロスオーバーポイントに到達

おわりに

前回も書きましたが、
FIREのルールなどは米国の
情勢などの中で作成されたことから、
日本では異なる点もあります。

自分でも関連書籍をぜひ読んで、
情報を整理してみることも
大切かもしれません。

微差を積み重ねていきましょう!

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