はじめに
前回までの記事でも
GDPについては確認をしてきました。
GDPは私たちの生産の合計であり、
それは支出と所得は一致する。
三面等価の原則でしたよね。
くどいですか・・・?笑
ではこのGDPは
どのように統計を
とっていると思いますか??
今日はそのあたりも含めて、
学んでいきたいと思います。
GDPの統計
製造業が生産する製品であれば、
個数などの確認が可能ですが、
リハビリなどの医療サービスや
興行サービスなどについての
生産量って測りにくそうですよね。
このことから、
まずはGDPは金額で
統計をとっていきます。
生産金額で評価するわけです。
生産金額であれば、
生産した付加価値の合計金額になるので、
統計することが可能になります。
この金額で見た
GDPのことを
名目GDPといいます。
名目GDPについて
名目GDPは金額で出る!
ということがわかりましたが、
注意点があります。
それは、
『生産量が変わらなくても、
物価が上昇するだけで
数値が大きくなってしまう』
という点です。
例で考えてみると、
Aさんが付加価値100円の商品を
100個生産したとすると、
名目GDPはいくらになるでしょうか?
・・・
・・・
もちろん1万円になりましたよね?笑
では、
ここから物価が
仮に10%上昇した場合、
先ほどの付加価値が
110円になるために、
名目のGDPは11000円になります。
生産量は100個のままで、
増えていないのに、
GDPは増えてしまう…
これは変ですよね。
そのため、
名目のGDPから
物価変動の影響を
除去する必要性があります。
手順としては、
名目GDPを
GDPデフレータと呼ばれる
(後々また説明の記事を書きます)
物価の指数で割り直すことで、
実質の生産量を計算します。
これによって、
出てきたGDPのことを
実質GDPと言います。
実質GDPについて
実質GDPについては、
国内で生産された
量の合計になります。
通常では、
経済成長というものは、
名目GDPではなく、
実質GDPを意味しています。
ただ実質GDPにも
注意点があります。
それは現在の日本のような
デフレであり
インフレ率がマイナスで
あるような国では、
名目GDPが増えていなくても、
実質GDPが増えているように
見えてしまう点が上げられます。
コロナのニュースなどでも、
【コロナ禍でも
日本のGDPは増えているので
景気は良くなっています!】
と聞く一方で回りでは
浮いた話を聞かないのは、
このような点も関係しているのかも
しれませんね。
GDPが増えているから、
税金も増やせます!
と言っている人もいましたが…
話が重複しますが、
給料が増加しにくい昨今
デフレで物価が下がり、
実質GDPは増えている!
と言われても、
納得いかないのは
僕だけでしょうか???
まとめ
- GDPの計算には、金額を扱う名目GDPと
量を扱う実質GDPがある - 名目GDPから物価変動などの影響を
取り除いたものが実質GDP - 注意点として、デフレの状況では、
名目GDPが増加しなくても、
実質GDPが増加することがある
おわりに
正しい経済成長というのは、
実質の生産量が2%増え、
物価が2%増え、
名目のGDPが4%増える
みたいな状況が考えられます。
日本は1997年からデフレに入り、
GDPが名目でも実質でも
伸びなくなっています。
『失われた20年』と言われる状態ですね。
30年になりましたが…
そのため、
97年以降の日本の経済成長率は
世界最低水準ともいわれているそうです。
微差を積み重ねていきましょう!