はじめに
前回までの記事では、
GDPの概要であったり、
名目と実質の違い、
GDPデフレータが関与している、
そんなところまでは、
しっかり把握してもらえてるかなと
思っています。
今回は経済成長率について、
一緒に学んでいきましょう。
経済成長率って何だろう?
経済成長率の定義とは、
『実質GDPの増え方』
になります。
GDPは生産、支出、所得の
合計が同じになりますから、
実質GDPが増えている
=物価の影響を除いても
所得が大きくなっていることを
意味しています。
それではここで問題です!
高度成長期と呼ばれる、
1956~73年までの
実質GDPの平均成長率は
いくらだと思いますか???
・・・
・・・
・・・
正解は、
9.1%です!
『ふーん。9%ねえ。』
と思ったかもしれませんが、
イメージしてもらいたいんですけど、
毎年の実質所得が9%ずつ増えていく
わけですよ。
すごくないですか?
9%の成長が続けば、
8年後には
実質のGDPは倍になる
ペースです。
(72の法則)
ちなみに、
上記の時期の名目GDPの
平均成長率は15.7%でした。
つまりは実質の生産量も増えながら、
物価も上昇していたわけです。
よいインフレですよね。
この高度経済成長で
実質GDPが大きくなり続け、
世界第2位の経済大国まで
昇りつめました。
ただその成長にも陰りがみえ、
97年に経済がデフレ化し、
その後は経済成長率が低迷します。
G7諸国の経済成長率と
比較してみると、
1997年から2019年までの
日本の平均経済成長率は
0.77%です。
本来GDPとは、
実質GDPが拡大し、
物価がある程度上昇し、
名目GDPがより大きくなるのが、
好ましい成長になります。
前回の記事にも書きましたが、
97年以降は
GDPデフレータがマイナスに
なっていることが多いため、
名目GDPが増加していなくても、
実質GDPがプラスで計算されてしまう
わけになります。
勘の鋭い方は
わかるかもしれませんが、
97年以降の毎年平均
0.77%という経済成長率も
どうなのでしょうか?
デフレとは
デフレとは何か、
どのような仕組みで
起こってくるのか。
については、
後々の記事で書いていきますが、
簡単に言えば、
財やサービスの購入が不足する経済現象です。
財やサービスを購入した
合計の金額は、
実質でなく名目GDPでしたよね?
学者の中にも、
デフレの時は、
実質よりも名目GDPを
見るべきといわれているのも
納得です。
まとめ
- 経済成長率の定義とは、
『実質GDPの増え方』 - 高度経済成長期では毎年平均で
9%の成長があった - デフレの時は、名目にも焦点を合わせる
必要性もある
おわりに
言葉の意味を知っていると
ニュースの見え方が
変わりますよね。
微差を積み重ねていきましょう!