経済の話題

経済成長って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
供給能力について
確認をしましたよね。

国家の経済力は
お金の量ではなく、
供給能力が重要である!
という話でしたよね?

思い出してもらえました?

今回は
経済成長について
整理していきましょう!

経済成長とは何か?

経済成長とは、
以前の記事で説明した
国内総生産(GDP)が
増えることになります。

ただ注意点があり、
GDPの拡大が
必ずしも
働いている国民の
所得が増える!
ということにならない点です。

『え?そうなの?』
と思われた方も
いるかもしれません。

確かに、
GDPは国内で働いた
生産者の所得を合算したもの
になります。
(三面等価の原則でしたよね)

そのため、
GDPが増えていれば、
その国の所得の合計は、
確かに増加しています。

ただこの場合はどうでしょうか?
それは、
働く生産者の人数が
GDP以上のペースで
上昇した場合です。

例を挙げると、
もともと100人の生産者で
GDPが100でした。
その後GDPが100増えたとしても、
生産者が10000増えていたとしたら
どうなりますか?
という話です。
(わかりにくいです?
すみません。)

この場合は、
生産者1人あたりのGDPである
所得は減少してしまいます。

そのため、
国民の豊かさを見る場合には、
GDPを人口で割り、
1人当たりGDPを計算します。

1人当たりGDP

厳密にいえば、
生産者1人ずつの
GDPを出せるとよいのですが、
とりあえずは、
国民1人当たりのGDPが
増加していれば、
人々は豊かになっているよね!
と判断しているわけです。

また日本と他の国は
どのくらいの差があるのか!
などを比べたい場合には、
各国の通貨を
世界の通貨の中心である
ドルに換算した後に人口で割り、
1人当たりドル建てGDP
計算して比較することになります。

ただ勘の鋭い方は、
為替の影響を受けるんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、
それ以外の方法での比較が困難のため、
現状このように比較しています。

こらえてください。笑

日本のドル建てGDPの世界ランキングは、
20世紀は世界でも上位の方を
推移しており、
2000年の順位は、
世界2位でした。

ただ21世紀に入ってからは、
政治の低迷などにもより
デフレが長期化し、
日本のGDPは成長できていません。

結果的に、
現在では世界でも25番目あたりを
推移している状況です。

ただ一方で、
1人当たりドル建てGDPが
成長したとしても、
国内の所得格差が拡大している場合は、
これも問題になります。

それは、
GDPの統計上、
たとえGDPが成長したとしても、
大多数の国民の所得は
全く上昇していない。
という場合もあり得るためです。

増えた分を一部の国民のみで
分け合っているという
構造が考えられます。

実際にアメリカでは、
1970年代に
工場勤務者の実質賃金が
横這いでありながらも
着実にGDPが増加している
ケースも存在しています。

GDPの増加が必ずしも、
国民すべての繁栄に
関与していないこともある
ということが
よくわかって頂けたのでは、
ないでしょうか?

まとめ

  • 経済成長にはGDP増加が関与する
  • GDPが増加しても、
    国民1人当たりGDPがどうなのかを
    確認する必要がある
  • 日本は2000年に2位であったが、
    現在では25位程度と
    低迷しているのが現状である

おわりに

以前テレビで選挙の時に、
『現状維持を求めて○○党に入れました』
と言われていたインタビューを
見たことがありますが、
現状維持はできていない
現実を確認すべきだなと思いました。

『子どもの世代に
ツケを回すのか!』
などの言葉もききますが、
この現状を考えると、
よりとんでもない
ツケを回すことになっているのでは?
と感じるのは私だけでしょうか。

微差を積み重ねていきましょう!