経済の話題

クラウディングアウトって何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
分配面のGDPと損益計算書について
確認をしましたよね。

分配面のGDPとは
その所得がどのように
分配されているのかを
確認できる指標である
という話でしたよね?

思い出してもらえました?

今回は
クラウディングアウトについて
整理していきましょう!

クラウディングアウトとは?

政府の債務対GDP比について
問題視している人がいます。

もちろん実際には、
上昇したところで何も起きていませんが、
財政破綻を煽る人達は
政府の債務、つまりは国債発行残高が増えると、
金利が上がり、民間が投資できなくなる!
といっています。

これを経済学で
クラウディングアウト(押し出す)と言います。

政府が国債を発行し、
お金を借りてしまうと、
残りのお金が少なくなり、
私たちがお金を借りる際に金利が上がる。

民間投資が押し出されるという話ですね。

一見、
最もらしいのですが、
このクラウディングアウトは
経済学者までも信じているのですが、
根底から間違っています。

理由は、
そもそも私たちが融資を受ける際には、
今存在している
お金を借りているわけではないからです。

私たちが銀行から
融資を受けるとき、
別に銀行は手持ちの資産を
貸しているわけではありません。

単に貸し出しの際に、
私たちの銀行残高を
増やしているだけ。

もちろんノンバンクは、
どこかから調達したお金を貸すわけですが、
銀行は異なります。

銀行は口座の数字を増やすことで
お金を貸し出しています。

日本の全国銀行協会は、
銀行が貸出を行う際には、
貸出先の企業Xに
現金を交付するのではなく、
Xの預金口座に
貸出金相当額を入金記帳する。

銀行の貸し出しの段階で
預金が創造される仕組みである
と説明しています。

つまりは、
政府が国債を発行し、
資金を調達したところで、
私たちが借りるお金は減りません。

そもそも私たちが
銀行から借りるお金は
貸し出しの瞬間に
この世に誕生するのです。

もう一つ、
そもそも政府が国債を発行し、
借り入れるお金は日銀当座預金で、
私たちが日常的に使っている
銀行預金ではないです。

そして私たちは、
日銀当座預金を使うことも
借りることもできません。

理由は私たちが日銀に
口座を持っていないためです。

日銀当座預金は、
日銀に口座を持つ政府、
金融機関しか使えないお金です。

政府が国債を発行し、
私たちが使えない
日銀当座預金を借りたところで、
私たちが銀行から借りる際の
金利が上がることはないとされています。

それなのに経済学者は、
クラウディングアウトを主張し、
政府の国債発行を
否定しようとしています。

そもそも国債を発行し、
政府の債務を積み上げたところで、
必ずしも金利が上がるわけではない
という事実は日本が証明しています。

1970年度から比較して、
2020年度までに政府の債務は
166倍になりましたが、
国債金利は0です。

日本の実績からでも
クラウディングアウトが
生じないのがわかります。

まとめ

  • 私たちが融資を受ける際には、
    今存在している
    お金を借りているわけではない
  • 銀行の貸し出しの段階で
    預金が創造される仕組みである

おわりに

今回はなかなか難しい内容でした。

ただ、今回の内容で、
銀行の貸し出しの時点で
預金が想像されている。
ということだけでも覚えておいて
下さい!

微差を積み重ねていきましょう!