経済の話題

緊縮財政って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
クラウディングアウトについて
確認をしましたよね。

私たちが融資を受ける際には、
今存在している
お金を借りているわけではないこと。

銀行の貸し出しの段階で
預金が創造される仕組みとなっている。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
緊縮財政について
整理していきましょう!

緊縮財政とは?

日本政府は、
政府の債務が増える、
あるいは
政府債務対GDP比率が上昇すると、
金利が上がり、
財政破綻するという話で
1997年以降、緊縮財政を続けられてきました。

緊縮財政とは、
政府の支出は可能な限り減らす
同時に
国民からできる限り多くの税金を取り、
財政を均衡させようとする
政策になります。

要するに、
政府の歳出が歳入を上回る
財政赤字はだめ
という話なのですが、
日本の財政赤字批判の歴史は、
意外に古いとされています。

1980年にまとめられた
大平総理の財政研究会の資料で、
財政の当面の目標を
赤字公債からの脱却におくのは妥当である。

とされ、
現在に続く緊縮財政、
財政均衡主義、
PB黒字化目標の路線が決定されたのです。

40年も前から、
財政赤字が批判されていたんですね。

それではなぜ、
大平内閣は財政赤字を
否定したのでしょうか。

それは、
1970年台後半から力を持ち始めた
新自由主義が財政均衡を是としているためです。

新自由主義の経済学者、
ミリトン・フリードマンなどは
財政赤字を嫌悪しました。

『財政赤字を拡大するとやがては、
インフレ率の上昇を止められなくなる。』
と主張したのです。

特に民主主義の国では、
政治家は有権者の声を聴かないわけにはいきません。

有権者の要望を受け、
政治家が国債発行や、
中央銀行の国債買取を増やせば
やがては需要が大きくなりすぎ、
インフレ率がひたすら
上昇していくというわけです。

1980年台以降、
世界的に緊縮財政、
財政均衡主義が主流になっていきました。

欧州は1992年の欧州連合創立を定めた条約で
財政赤字は対GDP比で3%以内に
収めなければならないとされました。

ではなぜ、
3%なのでしょうか?
5%、1%ではなぜ
ダメなのでしょうか?

しかも、
財政赤字とは不況の時には増やし、
好況の場合は減らすべきです。

そもそも、
財政赤字の額を対GDP比で数値目標として、
定めている時点で奇妙な発想です。

日本は1997年に
この条約を模倣して3%に
収めることを決定しました。

その後、財政構造改革法は
執行停止になったものの、
今度はPB、基礎的財政収支の黒字化という
目標が定められ、
日本は緊縮財政を続けざるを
得なくなりました。

日本はPB目標黒字化目標のために
政府支出の拡大ができなくなり、
GDPが全く成長しない国になってしまいました。

政府の支出とGDPに
相関関係があると言われていますので、
結果としては予想がつきましたよね。

まとめ

  • 緊縮財政とは、
    政府の支出は可能な限り減らす
    同時に、国民からできる限り多くの税金を取り、
    財政を均衡させようとする政策
  • 財政赤字とは不況の時には増やし、
    好況の場合は減らすべきとされている

おわりに

今回はなかなか難しい内容でした。

日本はPB目標黒字化目標のために
政府支出の拡大ができなくなり、
GDPが全く成長しない国と
言われています!

さまざまな意見があるでしょうが、
自分はこういう理由から、
こう思ってます!
というように意見を
持っておきたいですね。

微差を積み重ねていきましょう!