経済の話題

マネーストックって何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
マネタリーベースについて
確認をしましたよね。

マネタリーベースとは、
日本銀行が発行するお金の合計を
示していること。

財やサービスが購入されなければ、
インフレ率の増加には関与しない。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
マネーストックについて
整理していきましょう!

マネーストックとは?

前回は主に
日本銀行が発行する
マネタリーベースについて解説しました。

なぜ主に、
なのかといえば
2021年10月時点で660兆円に
達しているマネタリーベースのうち
およそ5兆円は日本政府が発行している
硬貨だからです。

マネタリーベースはそのほとんどが
日銀当座預金で現金紙幣は百兆円と少し。

問題は私たち国民は
日銀に口座を持っていないため
日銀当座預金を使うことができない
いう点ですね。

もちろん私たちは
現金紙幣を普通にお金として使います。

とは言え、
日銀はお金を発行する際に
いきなり現金紙幣を吸っているわけではありません。

あくまで最初のお金は日銀当座預金。

日銀当座預金は
一般の銀行の資産になります。

日銀にとって負債ですね。

そして一般の銀行が
日銀当座預金を引き出す形で
現金紙幣が市中に流通しているのです。

日銀からしてみれば
自らの負債である
日銀当座預金というデジタルデータを
同じく負債である現金紙幣に
交換したという話ですね。

銀行経由し市中に流通した
現金紙幣は私たちが利用可能なお金です。

とは言え現在は私たちが使う
お金のメインは銀行預金ですよね。

銀行預金は私たちが
お金を借りる際に
銀行がキーボードを打つことで
発行するデジタルデータになります。

銀行が発行する銀行預金と
現金紙幣の合計、
つまりは私たちが使える、
使っているお金の合計を
マネーストックと呼びます。

マネーストックは
そのほとんどが銀行預金であるため
私たちが銀行から借り入れれば増えます。

最もポイントは私達が
銀行から借り入れたとしても
財やサービスを購入するとは
限らないという点です。

前回、日本銀行が
国債やETF、リートを購入したとしても
財やサービスが買われてるわけではないため
インフレ率は上がらないことを解説しました。

実はマネーストックも同じなのです。

私達が銀行からお金を借り
株式や土地あるいはビットコインに
投機したとしても、
財やサービスが買われた訳ではない為
インフレ率に影響は与えません。

やっぱり2013年3月以降
日本のマネーストックは
327兆円増えています。

マネタリーベースとは異なり
マネーストックは私たちが使えるお金です。

ただ、私たちが
普通に使っているお金が
300兆円以上も増えたにもかかわらず
インフレ率がマイナス。

銀行からの借入により
マネーストックが増えたとしても
お金が財やサービスの購入に
向かっていないという話です。

インフレ率を上昇させるためには
あくまで財やサービスの購入が増え
需要が増加しなければならないのです。

まとめ

  • マネーストックとは、
    銀行が発行する銀行預金と現金紙幣の合計で、
    私たちが使えるお金の合計といえる。
  • インフレ率を上昇させるためには
    あくまで財やサービスの購入が増え
    需要が増加しなければならない

おわりに

今回もなかなか難しい内容でした。

前回のマネタリーベースから、
いかにマネーストックに移行できるのか。

そしてそのマネーストックが、
財やサービスに購入されていくのかが、
民間による、景気の回復などに影響
するわけですね。

微差を積み重ねていきましょう!