はじめに
前回の経済編の記事では、
マネーストックについて
確認をしましたよね。
マネーストックとは、
銀行が発行する銀行預金と現金紙幣の合計で、
私たちが使えるお金の合計といえる。
インフレ率を上昇させるためには
あくまで財やサービスの購入が増え
需要が増加しなければならない。
という話でしたよね?
思い出してもらえました?
今回は
貨幣乗数について
整理していきましょう!
貨幣乗数とは?
前回と前々回で、
日本銀行や一般の銀行が
お金を発行しても
インフレ率が上がるとは限らない
ことを確認しました。
理由は
インフレ率は
財やサービスの購入が
増加しなければ上昇しない。
実際に、
第二次安倍政権発足以降の日本は
・マネタリーベースは526兆円
・マネーストックが327兆円
増えたにもかかわらず
インフレ率はマイナスで
推移しているという事実を
説明いたしました。
それにしても
デフレ化のプロセスを見れば
デフレ脱却のためには
総需要を増やさなければならない。
誰かが財やサービスの購入を
増やさなければならないことが
簡単に理解できるはずなのですが
何故多くの人はデフレは貨幣現象である。
貨幣量を増やせば
デフレから脱却できると
信じ込んでしまったのでしょうか。
理由は貨幣観を
間違えているためとされています。
お金がものであると
認識していると
貨幣量には限界があると
思い込んでしまいます。
限界がある貨幣が
こちらは確かに量的な限界がある
財やサービスと交換されている。
しかも存在するお金は
必ず財やサービスの購入に
向かうという前提が
成立しているならば
貨幣量を財やサービスの量に
対して大きくすれば
物価は上昇することになりますよね。
でも実際にはお金はものではありません。
しかも誰かが借りれることで
貨幣量は増える。
さらに日本銀行が発行する
日銀当座預金というお金は
私たちが使えないお金であり、
さらにお金が使われたとしても
財でもサービスでもない
土地や株式、為替ビットコインなどの
購入に向かうとインフレ率は上昇しない。
改めて説明されれば
だれにでも理解できるはず
なのですがこれがなかなか広まらない。
結果的に、
日銀が貨幣量を増やせば
インフレ率が上昇しデフレから
脱却できるという神話が
政治家や国民にされてしまった。
しかも呆れる話ですが
経済学者たちまでもが
真顔で日銀が貨幣量を増やせば
インフレになると吹聴していたと
言われています。
現実には日銀が
マネタリーベースを増やしたところで
マネーストックが増えるとは限らない。
実はマネーストックが
マネタリーベースの何倍になるのか
を示した貨幣乗数ですが
2013年以降日銀が
マネタリーベースを増やしても
それほどマネーストックが増えないため
貨幣乗数がだんだん下がっていき、
遂に2倍をわり込んでしまいました。
その上、
マネーストックが増えたとしても
投資や消費が増えるとは限らない。
財やサービスではなく
資産の購入に回ってしまうと
インフレ率は上昇しません。
2013年以降の日本の
社会実験はお金の量を
増やしたところで
デフレから脱却できるとは
限らないという、
よくよく考えてみれば
当たり前の事実を
証明したのでした。
まとめ
- 貨幣乗数はマネーストックが
マネタリーベースの何倍になるのか
を示したもの - インフレ率を上昇させるためには
あくまで財やサービスの購入が増え
需要が増加しなければならない
おわりに
今回もなかなか難しい内容でした。
貨幣感ってなかなか
考えることのない観点なので、
しっかり勉強していきたいなと
感じました。
微差を積み重ねていきましょう!