はじめに
多くの新聞やニュース等にも
平均年齢というような話が出てきます。
この平均年齢の延長により、
資産形成などについても
より情報を集めていきたいというような
話が広まっていますが、
実はそれ以外の尺度などもあります。
この記事ではそれらについて
4つの情報を整理していきたいと思います。
1つ目は平均寿命の勘違いについて。
2つ目は最多死亡年齢、
3つ目に関しては、
健康寿命との関係、
最後は最多死亡年齢を踏まえた資産運用という順番で
書いていきたいと思います。
平均寿命の勘違いって?
平均寿命と言われたら、
男性は81,82歳ぐらいで、
女性は87歳ぐらいまで生きるっていう
話だよね!知ってる!
という話だと思いますが、
この数字はあくまでその年の出生した0歳の平均余命なんですね。
今日この瞬間に生まれた人が
おおむね生きるであろう
平均的な寿命の話をしてるわけです。
これがどういうことなのかというと
例として、
今日65歳の男性のじゃあ平均余命は
いくらでしょう?というと
『81.05歳だから、16年くらいかな?』
と考えるかもしれませんが、
実際にはそうではありません。
どういうことかというと、
今日65歳時点の人の平均寿命っていうのは
81歳ではなく85歳が正解なんですね。
だから約20年となり、
16年の平均寿命なのかな?って言ったらそうではなくて
あと20年くらいが実際の平均寿命であり、
今日65歳時点の人は85歳まで生きる可能性が高いよ。という話が
平均寿命でみんな一律だと考えていると、
ズレが生じてくる可能性があるよという話ですね。
最多死亡年齢って?
最多死亡年齢って、
なかなか聞き慣れず、
こんな言葉を聞いたことない方もいると思います。
ただ、
これすごく重要なんです。
厚生労働省から引用すると、
最多死亡年齢、最も多く死んでしまう年齢。
それをしっかり出すとこんな表になります。
何歳で死ぬ人が最も多いか、2021 年のデータですが
これを見ると男性は85歳、
女性だったら92歳が最も亡くなられているわけです。
だから平均寿命で81歳とか86 歳と言われている数字よりかは
4、5歳ぐらい上の数字が本当に亡くなりやすいわけです。
図を見ても、
最もなくなりやすい男性、女性っていうところを見ると、
男性は 85 歳、
女性は 92 歳と平均寿命よりも
やはり長い年月を過ごすことの方が
可能性としては高いよということを
頭に入れておきたい情報です。
健康寿命との関係性
ここまでで、
平均寿命ではなく、
最多死亡年齢まで生きる可能性があるというところを理解した上で、
健康寿命にも触れていきます。
健康寿命というのは、
健康上の問題で日常生活が制限されることなく
生活できる期間を指します。
かみ砕いていえば元気に生活できている状態。
誰かに介護されないと、という状態の手前で、
自分で自活できますという状態のことを指しており、
2019年のデータでは
男性は72.68歳と72 歳前後
女性に関しては75.38 歳と75歳前後というところが
元気でいられるという状態であり、
これ以降に関しては誰かに支えてもらったりする期間と
言われています。
厚生労働省が出している平均寿命と健康寿命のデータで
この期間の乖離で
男性は8.73年ぐらいは誰かに支えてもらわなきゃいけない時間があるのではないか?
女性に関しては 87歳という平均寿命から考えて、
健康寿命の 75 歳というところまで見たら約12 年間、
誰かに支えてもらわなければ生きれない期間があるわけです。
この数字はかなり多くの書籍などでも紹介されていますが、
ここでさきほどの最多死亡年齢で考えてみると
また違った見え方がわかります。
最多死亡年齢から健康寿命を引くのが実際の健康期間と見る方が
より現実的と思いますので、
そのように計算すると
男性は最多死亡年齢が85 歳なので85歳-健康寿命である72 歳
つまり13年間は不健康な時間がある可能性が
非常に高いということになります。
一方、女性に関しては95歳という最多死亡年齢から考えると
95 歳引く健康寿命である75歳を引くと
約20年間、誰かに支えてもらわなければいけない期間があるのではないか、
介護が必要ではないかという時間が推測されるということになります。
最多死亡年齢を踏まえた資産運用
ここまでの情報を踏まえた上で、
私たちはどういう資産運用や資産形成そして資産管理というものが望まれるのか
というところについて書いてみます。
まずは自分の心、身体の状況が重要です。
健康寿命の引き延ばしを考える必要性があります。
最近は資産運用というと金融資本に投資することだけが
取りだてられている印象ですが、
資産運用の中にも労働収入や収入支出のバランスも重要で、
収入を受け取れる期間を
どれだけ自分の人生の中で保有できるかというのはとても重要です。
つまり健康寿命を延ばすということです。
非常に当たり前なことですが、
体あっての資本です。
それこそ資産形成していきたいというのでは、
どれだけ健康でいられるかというところが非常に重要になります。
最多死亡年齢からでも
男性は13年、
女性は20年間不健康期間があると推測されますから、
この期間を1年でも2年でも減らすことの方が
やはり資産形成においてすごく重要です。
ただ、仮に健康であったとしても働きたくないような仕事選びやとかね
無理をしても稼がなきゃいけないから、
オーバーワークしなきゃということにはなってはいけませんので、
あくまで自分の体に見合った自分の健康状態に見合った収入を
問える環境が維持し続けることができるような状態は
イメージしておきたいものです。
そしてさらに
平均寿命ではなく最多死亡年齢以上の生存を意識して
男女それぞれ85歳、92歳で亡くなることが最も多いよとは言っても、
それ以上もちろん生存される方もいます。
ここまで生きることを考えた長期資産運用方針というのも、
やはりこの資産運用する上で考えておいた方が好ましいといえます。
もちろん複利で運用し続けることもいいですが、
取り崩しとか配当へのスライドしやすい金融商品の構成とかも
この時点では考える必要が出てきます。
今、20代30代 40代の人が
取り崩しや配当にスライドしやすいという
金融商品構成を今から実施するのではなく
複利を活用してガンガン資産形成に励む一方で、
自分の年齢や立場というところに合わせて取り崩しやすい、
配当をスライドしやすいなど
そういったものに考えて金融商品構成は
変化を考慮していく必要性があげられます。
おわりに
今回の記事では、
平均寿命だけでなく、
最多死亡年齢という概念も
情報として持ってもらうこと。
そしてその情報を活用して、
資産運用や資産形成の参考基準に
貢献出来たらと考えています。
無知はコストです!
一緒に学んでいきましょう!