経済の話題

実質賃金って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
消費性向について
確認をしましたよね。

消費性向とは
所得に占める消費の割合のことで、
一般的に
・高所得者層は低くなり
・低所得者層が高くなる
傾向がある。

消費性向が高いと
消費税の影響が大きい。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
実質賃金について
整理していきましょう!

実質賃金とは?

実質賃金とは
物価の変動の影響を取り除いた
賃金のことを示しています。

豊かになるとは、
実質賃金が上昇すること
を言います。

例えば、
給料が5%上がったとしても
物価が10%上がってしまうと
豊かになったと言えません。

何しろ、稼ぐ給料で買えるものは
減ってしまっているわけですから。

逆に、
給料の伸びが2%に
過ぎなくても
物価上昇率が1%であったら、
少しずつではありますが、
私たちは給料で買えるものが
増えていくことになります!

実質賃金は、
私たちがもらう給料の金額
つまりは名目賃金から
物価の影響を排除する形で計算します。

具体的には、
日本の実質賃金は
名目賃金を持家の帰属家賃を除く
総合消費者物価指数という
インフレ率で割ることで
求められます。

実は、
名目賃金や実質賃金についても
種類があります。

具体的には、
現金給与総額と決まって
支給する給与、
所定内給与額などです。

さらに。
日本の厚生労働省は
名目賃金や実質賃金を
指数で公表しています。

指数とは、
特定の時期と比べて
どれだけ変化したかを見る
手法になります。

現在の賃金統計では、
名目も実質も2015年を100として
計算されています。

つまりは、
厚生労働省は名目賃金指数を
先ほどのインフレ率で割り、
実質賃金指数を発表しているわけです。

なんと、
日本の実質賃金は
1997年のピークと比較し
14%も落ち込んでしまっています。

これほど、
長期にわたり実質賃金の下落が
続いたのは内戦や革命をやっているのでない限り
間違いなく日本が歴史上初めてとされています。

なぜこのような状況に
なってしまったのでしょう。

理由を理解するためには
実質賃金の決定プロセスを
知る必要があります。

以前の記事で
所得創出のプロセスについて
解説しました。

所得は、
財やサービスといった
付加価値が生産され
購入されることで生まれます。

ということは、
所得は付加価値の単価✖️生産量で
計算することができます。

例えば、
物価が10%上がったなら
どうなるでしょうか?

単価が10%上がると、
掛け算のため、
計算される所得も10%上がります。

その場合は、
所得は確かに10%
増えていますが
物価も10%上昇では
実質賃金は変わりません。

実質賃金を増やすには、
物価の上昇率以上に
所得が拡大しなければなりません。

逆に、デフレで物価が10%下落しました。

その場合、
付加価値の単価✖️生産量で計算される所得も
また10%減ってしまう。

やはり実質賃金は変わりません。

では、実質賃金って何で決まるのでしょうか?

答えは生産性と労働分配率です。

それについて、
次回以降説明していきます。

まとめ

  • 実質賃金とは
    物価の変動の影響を取り除いた
    賃金のこと
  • 日本の実質賃金は
    1997年のピークと比較し
    14%も落ち込んでいる

おわりに

今回の内容は
イメージしにくい言葉ですよね。

革命や内戦をしていないのに、
実質賃金が低下する国であるという
現状は頭の隅に置いておきたいですね。

微差を積み重ねていきましょう!