経済の話題

生産性って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
実質賃金について
確認をしましたよね。

実質賃金とは
物価の変動の影響を取り除いた
賃金のことで、
日本の実質賃金は
1997年のピークと比較し
14%も落ち込んでいる。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
生産性について
整理していきましょう!

生産性とは?

最近になって、
日本は生産性が低い
と言った論調を見かけることが
増えてきました。

とは言っても、
そもそも生産性って
なんなのでしょう?

なんとなく、
効率とかそういう
ふわっとした理解を
している人がほとんどでしょう。

生産性を上げろ
と上司から言われた人は
『えっ?もっと効率的に働け!ってこと』
などと抽象的に理解する人が
少なくないと思います。

生産性とは、
第一回の所得編に登場した
所得創出のプロセスにおける
財や付加価値の生産の量の事です。

話のポイントは、
生産の量であり
金額ではないという点です。

ちなみに、
実は生産性も
複数あったりするのですが、
ここでは労働生産性に
話を絞らせてもらいます。

労働生産性は、
生産活動で生産された
付加価値を労働投入量で割ることで
求められます。

労働投入量とは
従業員数×時間あたりの
労働量になります。

一人の従業員の時間当たりの
労働量がいきなり大きく変わることは
あまりありません。

労働時間などには限度が
あるためですね。

というわけで、
労働投入量は大まかに
従業員数と考えてかまいません。

つまりは、
労働生産性は従業員一人当たりの
付加価値ということになります。

生産性の向上とは
従業員一人当たりの
付加価値の生産の量を増やせ
という話なんですね。

GDP三面等価の原則を
覚えていますか?

所得創出のプロセスにおいて
付加価値の生産消費や
投資といった支出
そして所得は必ず一致する
ということは、
生産性が向上し、
生産者一人当たりの付加価値が増えると
一人当たりの所得も増える
という話になります。

つまりは、
生産性の向上こそが
所得の増加をもたらすわけです。

ただし、
繰り返しになりますが
生産性の向上とは
生産の量が増える事です。

金額ではありません。

前回、所得は
付加価値の単価×生産量の掛け算で
決まると解説しました。

単価が10%上昇すると
所得は確かに10%増えます。

でもそれでは、
実質賃金は上がっていません。

物価と給料が
同じ割合増えているだけですから
そうですよね。

それでは、
付加価値の単価ではなく
生産の量が増えた場合は
どうなるでしょうか。

物価変動しない、
つまりは単価は変わらないまま
生産の量が10%増えると
何しろ単価×生産量ですから
所得が10%増加します。

物価上昇率は0%であるにも
関わらず所得が10%増えた。

つまり、
実質賃金が10%上昇しています。

実は、
従業員一人当たりの生産量が増えた時、
初めて実質賃金が上昇し
人々は豊かになることができるのです。

最も、
生産性向上により増えるのは
普通は企業の所得です。

生産性向上で企業の実質の所得が増えても
その分を従業員に
還元してくれるとは限りません。

だからこそ
労働分配率が重要になります。

次回は、
その労働分配率を
説明します!

まとめ

  • 生産性とは、
    財や付加価値の生産の量の事
  • 労働生産性は従業員一人当たりの
    付加価値
  • 生産性が向上し、
    生産者一人当たりの付加価値が増えると
    一人当たりの所得も増える

おわりに

今回の内容は
イメージしにくい言葉ですよね。

生産性の向上という言葉を
定義を確認しておくと、
論点が整理されて
話しやすいですよね。

微差を積み重ねていきましょう!

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