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勉強脳 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」

勉強脳 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」

著者:ダニエル・T・ウィリンガム

アメリカを代表する心理学者、ダニエル・T・ウィリンガムが認知心理学に基づく最も効率のよい勉強法を紹介する一冊です。この本では、授業の受け方やノートの取り方、情報を記憶に定着させる方法など、効果的な勉強法が詳しく解説されています。勉強の効率を上げるためには、脳科学的な原則を理解し、それを実践に取り入れることが重要です。

勉強のコツ

ウィリンガムは、記憶に関する3つの基本原則を基にした勉強法が効果的であると述べています。

  1. 記憶は思考の残りかすである:学んだ内容を思考することが記憶定着に役立ちます。
  2. 構成をつかむ:情報の構成を理解することで記憶が容易になります。
  3. 想起練習:情報を繰り返し思い出すことで記憶に定着させます。

情報を効果的に記憶に定着させるためには、その意味を深く考え、自分が学習する他の情報と関連付けることが必要です。内容を理解するためには、その構成を把握し、それが何を意味しているのかを理解することが重要です。また、精神的な負荷のかかる作業を行うことで記憶が強化されます。

授業を理解する

授業は階層的に構成されていますが、受講者は情報を一つ一つ順番に受け取るため、全体の構成を把握しにくいです。効果的な方法として、授業中に全体像を意識しながら、重要なテーマ(問い)とそれを支える根拠に注目することが挙げられます。教師が新しいトピックに移る際に、自分の理解を確認することも効果的です。

ノートを効率的にとる

人は話すスピードの約6倍の速さで書くことができないため、完璧なノートを取ることは困難です。ノートを取る際には、理解と記録のバランスを保つことが重要です。授業の前に「理解重視」か「記録重視」かを決め、それに基づいてノートを取る方法を選びましょう。理解重視の場合は、自分の言葉で要点をまとめることが効果的です。

実習から学ぶ

実習や課外授業には、手順を教える、経験を積む、言葉で説明しにくいことを理解するという3つの目的があります。実習を行う際には、その目的を理解し、注意を向けるべき対象を明確にすることが大切です。集中して取り組むことで、実習の効果を最大限に引き出すことができます。

知識を血肉にする

記憶力を向上させるためには、情報を想起する練習が効果的です。想起練習を行う際には、フィードバックをすぐに受けること、そしてテストした内容に焦点を当てることが重要です。想起練習は難易度が高く感じられるかもしれませんが、長期的には最も効果的な方法です。

実践的な勉強法

想起練習を効率的に行うために、質問回答形式のフラッシュカードを作成することをお勧めします。これにより、必要な情報を一か所に集めて効率的に勉強することができます。

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