読書の話題

マネーセンス:人生で一番大切なことを教えてくれる、「富」へ導くお金のカルテ11

マネーセンス:人生で一番大切なことを教えてくれる、「富」へ導くお金のカルテ11

著者:ブラッド・クロンツ、テッド・クロンツ

ブラッド・クロンツとテッド・クロンツは、お金の問題を抱える人々の心理的な原因を解説し、それを克服する方法を紹介する一冊を執筆しました。この本は、金銭トラブルや多額の借金、過度なケチなど、様々なお金に関する問題の背景にある心理的な要因を探り、その対処法を提供しています。

子供の頃の体験がお金に対する考え方を決める

お金に関する慢性的で自己破壊的な行動は、無意識の心理的な力によって引き起こされることが多いと著者は述べています。特に、子供時代の体験が成人後の「マネーのシナリオ」を形成し、そのシナリオに従ってお金と付き合うようになります。この「マネーのシナリオ」が、時には破壊的な影響を及ぼすこともあります。シナリオから解放されるためには、まずそのシナリオの存在と起源を見定め、未解決の問題を解決し、新しい考え方や行動を学ぶ必要があります。

マネー感覚不完全症候群

「マネー感覚不完全症候群(マネー・ディスオーダー)」とは、マネーのシナリオから生じる不健全な行動を指します。これには、経済的なストレスや不安、多額の借金、経済的なトラブルなどが含まれます。マネー・ディスオーダーは以下の3つのグループに分けられます。

  1. マネー忌避症候群:お金やお金の扱いを避ける傾向。経済的否認、経済的拒否、過剰なリスク回避、過少支出(ケチ)が含まれます。
  2. マネー崇拝症候群:お金やモノに過度に執着する傾向。強迫的な溜め込み、ワーカホリック、不合理なリスク・テイク(病的な賭博など)、浪費が含まれます。
  3. 人間関係マネー不全症候群:お金が原因で人間関係に混乱が生じる傾向。経済的な裏切り、経済的な近親相姦、経済的なイネイブラー(依存助長)、経済的な依存が含まれます。

マネーのトラウマを克服する

マネー・ディスオーダーを克服するためには、過去のつらい体験や人間関係に関する未解決の問題に取り組む必要があります。問題と正面から向き合い、未処理の感情を処理することで、過去の記憶の影響から逃れることができます。視点を変えることで、もっと現実的で自分にとって有益な解釈が生まれることもあります。

例えば、過去の出来事を別の関係者の視点から考え、その人の背景や問題を理解することが役立ちます。目的は、記憶から生まれる不安を軽減し、自分が楽になることです。

自己評価と行動の改善

お金の問題を解決するためには、まず自分の行動パターンを認識し、それを改善する努力が必要です。自己評価を高めることではなく、実力をつけることで自然に自信が高まります。自己満足に陥らず、常に欠点や弱点を克服し、長所をさらに強化する努力を続けることが重要です。

まとめ

「マネーセンス」は、お金に関する心理的な問題を理解し、それを克服するための具体的な方法を提供する一冊です。子供時代の体験や無意識のシナリオがどのように影響を及ぼすかを理解し、それを乗り越えるための新しい考え方や行動を学ぶことで、経済的なストレスや不安を解消し、健全なお金との付き合い方を実現するための指南書です。

マネーセンス 人生で一番大切なことを教えてくれる、「富」へ導くお金のカルテ11 / 原タイトル:MIND OVER MONEY[本/雑誌] / ブラッド・クロンツ/著 テッド・クロンツ/著 吉田利子/訳
こんな記事もおすすめ