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Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法

『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』

著者:ロルフ・ドベリ

間違った思考パターンに陥らない方法

ロルフ・ドベリの『Think Smart』は、心理学の研究結果をもとにした「思考の誤り」を52パターン紹介し、避けるべき思考の罠を解説しています。この本は、間違った思考パターンに陥らないための具体的な方法と、日常生活での実践的なアドバイスを提供します。

先延ばしを避ける

重要だが厄介な行為を後回しにする「先延ばし」は、不毛な行為です。私たちが大事なことを後回しにしてしまう理由は、それが「始めてから成果が出るまでに時間がかかる」からです。

「先延ばし」を避けるためには、自制心を絶えず維持することが不可能であるという事実を認識することが重要です。バッテリーを充電するためには、リラックスしたり、横道にそれたりする時間が必要です。もう一つの重要な条件は、注意がそれる原因をあらかじめ排除し、期限を設定することです。行うべきことをいくつかのパートに分け、それぞれのパートに期限を設けることで、先延ばしを防ぐことができます。

何事にも理由を添える

行動に「理由を添える」だけで、その行動は周りからの理解と譲歩を得やすくなります。その理由が意味をなしているかどうかは重要ではありません。「◯◯なので」という理由を添えるだけで、その行動が正当化されるのです。

人間は「理由」を知りたがります。たとえ根拠のない理由であっても、私たちは理由を求めます。行動に理由を添えることで、他人の理解を得やすくなり、物事をスムーズに進めることができます。

意志の力を回復させる

比較、吟味、決断を繰り返すと、私たちは「決断疲れ」に陥ります。意志の力はバッテリーのように機能し、疲れるとパフォーマンスが低下します。この意志の力を回復させるには、休憩をとったり、リラックスしたり、何かを食べたりすることが効果的です。特に「血糖値」が下がりすぎると、意志の力が衰えますので、適度な食事も重要です。

考えすぎを避ける

考えすぎると、頭は感情の知恵から切り離されてしまいます。感情と合理的な思考は、同じ「脳」で発生し、ただ情報処理の仕方が違うだけです。感情は原始的ですが、必ずしも質が劣るとは限りません。直感的に答えを見つける過程を不必要に妨げることなく、冷静にじっくり考えるべき状況では「論理」が役に立ちます。

学問で得た知識だけに頼らない

知識には「言葉にできるもの」と「できないもの」があります。私たちは「言葉にできる知識」を過大評価しがちです。しかし、本を読んだり思索を巡らせたりするだけでは、アイデアや新しい製品、能力を身につけることは難しいです。実際に試したり実地で学んだりすることで得られる「実践知識」が重要です。

「言葉にできる知識」には以下の問題点があります。

  1. 曖昧なところがなく、現実と乖離している。
  2. 本を書く人の思考パターンが一般の人と異なる。
  3. 表現に長けた人が能力以上の地位を得やすい。

まとめ

ロルフ・ドベリの『Think Smart』は、日常生活における思考の罠を避け、賢く生きるための具体的な方法を提供します。先延ばしを避け、意志の力を回復し、考えすぎを避け、学問で得た知識だけに頼らないことで、より効果的に賢い選択をすることができます。この本を通じて、賢い思考パターンを身につけ、生活の質を向上させることができるでしょう。

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