経済の話題

資本装備率って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
投資のマトリクスについて
確認をしましたよね。

投資を決断してから
生産性が引き上げられるまでの
期間が各投資では
大きく異なっており、
中でも技術投資は
特にリスクが大きいため
政府が主導しなければならない。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
資本装備率について
整理していきましょう!

資本装備率とは?

企業が生産性を向上させる際に
機械や設備への投資は有効な手段の一つです。

それが設備投資です。

設備投資により投じられた資本、
具体的には、
工場や機械への投資の程度を
示すのが資本装備率になります。

資本装備率は
工場など有形固定資産を
労働力で割ることで
求められる指標です。

資本装備率が
高ければ高いほどいわゆる資本集約的、
逆に低くなるほど労働集約的
と評価することができます。

より分かりやすく言うと
従業員ひとりひとりが
いくらの資本で武装しているか
という話です。

資本装備率について
理解するには土木業がわかりやすいです。

例えば、
ブルドーザーをフル活用する会社と
つるはしで工事をする会社とでは
どちらが生産性が高くなるでしょうか?

もちろんブルドーザーの会社になります。

ブルドーザー1台で可能な作業を、
つるはしでやるとなると
大勢の人を集めなければならなくなります。

つまりは労働集約的ということですね。

逆にブルドーザーなどの建設機械を多用する会社は
つるはしの会社と比べて
従業員一人当たりの作業量が圧倒的に大きくなります。

生産性が高く資本集約的であるため
従業員をそれほど雇わなくても、
つるはしの会社よりも
上回る作業が可能になってきます。

産業別の資本装備率の推移によると、
製造業の資本準備率は
21世紀に入って以降横ばいで推移しています。

それに対し、
サービス業の資本準備率はすさまじく、
一時は1300万円を超えていた
サービス業の資本装備率は
97年のデフレ化以降、
凋落の一途をたどり、
リーマンショック以降は
500万円前後で推移するようになりました。

資本装備率が下落した
ということは
サービス業全体が次第に資本集約型から
労働集約型に変わっていったわけです。

わかりやすく表現すると
ブルドーザー型から
つるはし方に変わっていった
というわけです。

資本装備率が下がれば
労働生産性も落ち込みます。

そして労働生産性は
実質賃金の決定要因の一つでした。

そのため、
日本の実質賃金が下落していたのは
資本装備率の低下つまりは
投資の不足によるものである事が
資本準備率からもわかります。

まとめ

  • 設備投資により投じられた資本、
    具体的には、
    工場や機械への投資の程度を
    示すのが資本装備率
  • 資本装備率が
    高ければ高いほどいわゆる資本集約的、
    逆に低くなるほど労働集約的
    と評価することが可能

おわりに

今回の内容は
イメージしにくい言葉ですよね。

資本装備率が下がっている
ということは
つるはしにもどりつつあるということ。

指標の見方がわかると
違った視点が持てるので、
楽しいですね。

微差を積み重ねていきましょう!

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