経済の話題

資本生産性って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
資本装備率について
確認をしましたよね。

設備投資により投じられた資本、
具体的には、
工場や機械への投資の程度を
示すのが資本装備率であり、
その資本装備率が
高ければ高いほどいわゆる資本集約的、
逆に低くなるほど労働集約的
と評価することが可能。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
資本生産性について
整理していきましょう!

資本装備率とは?

資本生産性は、
・工場
・機械
・土地
といった資本一単位に対して、
生産可能な付加価値を意味しています。

つまりは、
資本がどれだけ
付加価値を生産したか、
量について定量的に
数値化したものになります!

現実には、
この世に
全く同じ資本は存在しません。

似たような工場であっても、
よく見ると生産ラインや設備など
必ず違う部分があります。

そもそも、
建設されている場所は
必ず異なります。

建設場所が違うのであれば、
交通インフラの使いやすさとか
必ず何らかの差異が生じます。

ここでは、
仮の話として
全く同じ工場が実在したとします。

・同じ工場
・同じ機械・設備
・同じ人員
は生産活動をしたとしても
時間帯当たりの
生産量が異なるということは
ありえます。

例として、
ボトルネックという
考え方があります。

ボトルネックとは
ワインボトルなどの
瓶の首に当たる
一番細い部分を指す言葉です。

ボトルネックが
細ければ細いほど
流れ出るワインの量は少なくなります。

工場で言えば、
単位時間当たりの生産量に
最も限界がある工程です。

どれだけ急いだとしても
単位時間当たりの生産量は増えない。

そしてあらゆる製品が
そのボトルネックである
工程を経なければ生産されない。

となれば、
ボトルネックの工程を
可能な限り稼動させる
必要が生じます!

異なる製品を
次々にボトルネック工程に投入し
ボトルネック工程が
稼働していない時間を
減らせば減らすほど
その工場の資本生産性は
高まることになります。

逆に、
ボトルネック工程が
稼働しない時間が多いと、
工場の建屋や
機械設備が全て同じだったとしても
生産量が少なくなってしまう。

その場合は、
資本生産性が低いことになります。

というわけで、
資本生産性が低い工場で
各種製品を生産プロセスを見直すなど
ボトルネック工程の稼働率を
高めていけば
新たに投資をしたわけではないにもかかわらず
生産量が増えていくわけです。

製造業とサービス業の
資本生産性を企業規模別に見ると、
興味深いのは、
20世紀には、
小規模事業者の資本生産性は
製造業サービス業の大・中規模企業を上回っていました。

その後、
小規模事業者の資本生産性は減少し、
反対側で大企業の資本生産性が上昇し、
リーマンショック後に逆転しました。

もっとも、
大企業の資本生産性の向上は
資本を増やさず
人を増やし
資本1単位当たりの
付加価値が増えた可能性が高いです。

投資せずに、
人をかき集めて
付加価値を稼げば
資本生産性は上がります。

これもまた、
日本経済が資本集約型から
労働集約型に変化、
前回まででお伝えした、
ブルドーザー型から
つるはし型に変化した証の一つで
あるのかもしれません。

まとめ

  • 資本がどれだけ
    付加価値を生産したか、
    量について定量的に
    数値化したものが資本生産性
  • 資本生産性が低い工場で
    各種製品を生産プロセスを見直すなど
    ボトルネック工程の稼働率を
    高めていけば
    新たに投資をしたわけではないにもかかわらず
    生産量が増えていく

おわりに

今回の内容も
イメージしにくい言葉ですよね。

人を多く投入すれば、
資本生産性は上がるが
それは労働集約的にも
つながっているわけですね。

微差を積み重ねていきましょう!