経済の話題

単位労働コストって何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
資本生産性について
確認をしましたよね。

資本がどれだけ
付加価値を生産したか、
量について定量的に
数値化したものが資本生産性であり、
その生産性が低い工場で
各種製品を生産プロセスを見直すなど
ボトルネック工程の稼働率を
高めていけば
新たに投資をしたわけではないにもかかわらず
生産量が増えていく。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
単位労働コストについて
整理していきましょう!

単位労働コストとは?

突然ですが、
皆さん所得水準が
日本の1/10以下の国で
日本国内で生産した洋服を
輸出し販売することは
可能でしょうか?

何しろ日本の人件費は
輸出相手国の10倍、
普通に考えて製品単価が高すぎて
なかなか売れないように思えませんか?

ところが、
可能なんです!

日本国内で
設備投資し
生産性を引き上げることで
本当に可能なります。

産業革命の始まりは
イギリスがインド産の
綿製品であるキャリコに
対抗するために
発明や設備投資をしたことでした!

当時、
イギリス人労働者の
人件費はインドの6倍といわれています。

17世紀のイングランドの文献に
綿製品について
最も安いものがインドで買え、
イングランドでだったら12ペンスほどの労働や作業が
インドでは2ペンスでなされていました。

イングランドの労働の価格は
インドの労働の価格より
ずっと高いため、
英国で完成したものを製造することは
経済的ではないという文章が残っています。

人件費がインドの6倍にもかかわらず
イギリス製綿製品は
国内はもちろん
輸出市場においてもインド産に対し
価格競争力を持ち、
最終的には本家本元の
インド市場においても
インド産綿製品を駆逐することになりました。

理由は
・技術投資
・設備投資
によりイギリス国内の
綿製品の生産性が高まり
インド産よりもイギリス産のほうが
安い状況になったためです。

人件費が6倍であるにもかかわらず
なぜイギリス製品のほうが
安くなったのでしょうか?

それは、
単位労働コストが下がったためです。

たとえばインドの労働者が
1日に2枚の綿製品を
生産できたとします。

対するイギリス側は
製造工程を機械化、自動化することで、
1日に24枚の綿製品を生産可能になりました。

賃金はインド人労働者が
1日2ペンスで、
イギリス人労働者が
1日中12ペンス。

そして、
製品1枚あたりのコストを比較すると
インドが1ペンス、
イギリス側が0.5ペンスと、
なんと製品1単位当たりのコストが
イギリス側がインドよりも
安くなってしまったのです。

そうなれば、
人件費が6倍のイギリス製品が
インドにおいても
価格競争力を持つことになり
市場を席巻できるわけです。

投資と生産性向上により
製品の単位労働コストを引き下げることで
日本国内の製品を
所得水準が1/10の国に輸出し
シェアを獲得することは可能なんですね。

ただ、
相対的に人件費が高かった
日本の製造業は
投資を怠り国内の賃金引き下げに走り
国民の貧困化と
内需の低迷を推進してしまいました。

まとめ

  • 人件費が高くても、
    単位生産コストが下がれば、
    商品を売ることは可能
  • 単位生産コストを向上させるためには、
    投資が必要になる。

おわりに

今回の内容も
イメージしにくい言葉ですよね。

何事も投資が重要であり、
単位労働コストにも
つながる話なんですね。

微差を積み重ねていきましょう!

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