経済の話題

コストプッシュ型インフレって何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
経済の五要素について
確認しましたよね。

経済、生産活動とは
生産の3要素に加え
需要、資源の2要素が
加わらなければ
成立せず、
需要の要素は
政府の支出により、
創出が可能。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
コストプッシュ型インフレについて
整理していきましょう!

コストプッシュ型インフレとは?

誤解している人が少なくないのですが
デフレーションとは
しぼむ・縮む
という意味になります。

つまりは
・生産
・需要
・所得
のGDP が
小さくなっていく
経済現象になります。

GDPが小さくなるというのは
所得の下落と同義です。

そして、
所得の下落は
その人の次の需要を
減らすことになります。

給与が減ってしまった人は
当然ながら消費を減らそうとします。

つまりは
次の需要が縮小するわけです。

所得の下落と
需要の縮小が
悪循環を描いて進んでいくのが
デフレーションです。

普通、
需要が減っている
つまりは財やサービスの購入が減っている場合、
物価は下落していきます。

清算した財やサービスが
なかなか売れない
生産者は当然ながら
価格を引き下げて売り切ろうとします。

というわけで
デフレ期には物価が下がるのですが、
例外的に需要縮小と
物価上昇が同時に発生する
経済現象があります。

それが、
輸入物価上昇を起因とした
コストプッシュ型インフレです。

私たちが
財やサービスを生産し
誰かが支出し所得が生まれる。

所得創出のプロセスにおいて
生産と支出と所得は
必ずイコールになる。

これは確かなのですが、
実は生産、支出、所得が
イコールになるのは
地球規模での話です。

何を言いたいのかというと、
例えば所得創出のプロセスにおいて
生産者が財やサービスの単価を
10%引き上げたとします。

顧客が支払わなければならない
お金は当たり前ですが10%増えます。

要するに10%の値上げです。

財やサービスという
付加価値の単価が10%
上昇すれば生産者の所得も
10%増えます。

生産、需要、所得はイコールです。

日本が10%のインフレになった時
少なくとも名目の所得は
10%上昇になるはずです。

とはいえ、
輸入物価が上昇した場合は
そうはいきません。

例えば、
外国から輸入される
石油の価格が10%上昇した。

当然、
私たちは10%余計に
支払うことになりますが
所得が増えるのは
日本国内ではなく
外国の生産者です。

つまりは、
輸入物価が上昇することで
私達は支払い金額は増えるものの
日本国民は
誰も所得が増えないという話です。

名目の所得が増えているのは
外国のエネルギー生産者であり
日本国民ではないのです。

これが、
輸入物価上昇に起因する
コストプッシュ型インフレです。

コストプッシュ型インフレは
所得が増えない状況で
支出金額を増やす。

つまりは、
私たちの可処分所得を減らします。

可処分所得が減った私たちは
次の消費や投資を減らしてしまうため
需要不足はむしろ拡大する方向に
向かうことになります。

輸入物価上昇に起因する
コストプッシュ型インフレの場合のみ
物価上昇と需要不足が
両立することになるわけです。

まとめ

  • デフレ期には物価が下がるが、
    例外的に需要縮小と
    物価上昇が同時に発生する場合があり、それが、
    輸入物価上昇を起因とした
    コストプッシュ型インフレ
  • 名目の所得が増えているのは
    外国のエネルギー生産者であり
    日本国民ではないため、
    可処分所得の減少につながり
    デフレ化要因になる

おわりに

現在の日本は、
コアCPIとコアコアCPIの
差が拡大していることから、
エネルギー価格に起因した
物価高騰となっており、
絶賛、コストプッシュ型のインフレが
生じています。

デフレ下に
コストプッシュ型が併発している
現状の日本、
継続して色々な情報に
アンテナを張っていきたいですね。

微差を積み重ねていきましょう!