経済の話題

ディマンドプル型インフレって何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
コストプッシュ型インフレについて
確認しましたよね。

デフレ期には物価が下がるが、
例外的に需要縮小と
物価上昇が同時に発生する場合があり、
それが、
輸入物価上昇を起因とした
コストプッシュ型インフレである。

名目の所得が増えているのは
外国のエネルギー生産者であり
日本国民ではないため、
可処分所得の減少につながり
デフレ化要因になる。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
ディマンドプル型インフレについて
整理していきましょう!

コストプッシュ型インフレとは?

ディマンドとは
需要を意味しています。

そして
総需要とは国内の
・消費
・投資
という支出の合計
要するにGDPです。

ディマンドブル型インフレとは
前回のコストプッシュ型インフレとは異なり、
需要側が牽引していく
物価上昇になります。

ディマンドブル型インフレが
起きるためには
まずは供給能力を
上回る総需要が必要になります。

厳密には、
潜在的な総需要ですが
インフレギャップ状態でなければなりません。

インフレギャップ?
聞いたことないぞ?
という方も
いるかもしれませんね。

例えば、
ある会社が1日に90個の生産が可能とします。
その時に、
お客さんは100個買いたい!と言っている
こんな状況がインフレギャップです。

お客さんが100個買うと言っているのに、
90個しか作れないため
10個の機会損失が生じてしまっています。

分かりやすく言うと
儲け損なっているわけです。

当然、
企業は何とか追加の10個を
生産しようとします。

なぜなら、
作れば売れるからです。

ところが、
好景気の場合は人を増やそうとしても
どこの企業も人を欲しがるので、
なかなか、ままならないというわけで
設備投資します。

従業員の数は増やさずに
投資により一人当たりの
生産量を増やすことで
お客さんの需要を
満たそうとするわけです。

つまり、生産性の向上です。

投資による
生産性向上に成功すると
企業の実質の所得は増えます。

しつこいですが、
生産=支出=所得です。

実質の所得が増えた企業は
労働分配率が一定と仮定すると
従業員の実質賃金を
増加させます。

従業員が豊かになる
という話ですね。

豊かになった従業員
つまりは国民が増えれば
普通は消費や住宅投資を
増やし始めます。

そうなると、
せっかく生産性向上で埋めた
インフレギャップが需要拡大により、
またまた開いてしまうのです。

ただ、
それで良いんですね。

生産性向上のための投資は
それ自体が民間企業設備という
需要項目の一部です。

企業の生産性向上のための投資は
GDPの二つの需要項目である
・民間最終消費支出
・民間企業設備
という二つのルートで
総需要を拡大してしまうわけです。

そうなると、
またまたインフレギャップは
拡大します。

そうなると、
もちろん生産性向上のための
投資あるのみです。

総需要が供給能力を上回る
インフレギャップという環境は
さらなる総需要拡大を引き起こすわけです。

もちろん
企業が投資をする必要があります。

このように、
需要が先行した
インフレギャップを埋めるために
生産力を向上させ、GDPが増加していく。

これが、
経済成長の形になります。

そして、総需要が
安定的に拡大していく環境であれば
当然ながら
企業は財やサービスの価格を
引き上げていきます。

そうなると、
ディマンドプル型インフレの発生です。

ディマンドプル型インフレが起きると
物価上昇分、名目の賃金は
上昇します。

加えて、
生産性向上が起きているわけですから
実質賃金も上がります。

実質賃金が増え、
そこにインフレ分が追加することで、
名目賃金がさらに大きく上昇する
というのがディマンドプル型インフレの特徴なんです。

コストプッシュ型インフレとは
GDPへの関係など
異なりますよね。

まとめ

  • ディマンドブル型インフレとは
    需要側が牽引していく物価上昇
  • 需要が供給を上回る
    インフレギャップの埋め合わせで
    生産力が向上し、
    GDPの増加につながっていく

おわりに

よく高度経済の時に、
タクシーを止めるのに、
一万円を振っている
昔の映像などがでますが、
経済成長の国では、
GDPは増加し豊かになります。

現在、30年間もデフレの国では
まずは需要を増加させる必要があります。

ただ、景気を刺激するのは
不景気の中では、
先行投資などなかなか民間が行うのは
難しいわけです。

だからこそ、
政府の支出が必要であり、
景気復活に政府の支出が必要なんだと
いう事実を伝えていきたいなと
思っています。

微差を積み重ねていきましょう!