経済の話題

高圧経済って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
ディマンドプル型インフレについて
確認しましたよね。

ディマンドブル型インフレとは
需要側が牽引していく物価上昇であり、
需要が供給を上回る
インフレギャップの埋め合わせで
生産力が向上し、
GDPの増加につながっていく。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
高圧経済について
整理していきましょう!

高圧経済とは?

最近、
日本国内で高圧経済という言葉が
使われるケースが増えてきています。

例えば、
経済産業省は2021年6月に公表した
経済産業政策の新機軸において
財政政策によって
総需要不足を解消し
マイルドなインフレ・高圧経済を
実現することは、
民間投資を促して、
長期の成長を実現するためにも必要
と書いています。

また、
日本銀行も
2022年6月の政策決定会合の場で
出席者の一人から
政府の財政政策などとも連携しながら
経済を温めて高圧経済の実現を
目指すことが必要だ
との意見が出たと報じられています。

さらに、
21年10月に発表された
国民民主党の衆議院選挙に向けた
政権公約には需要が供給を上回る
状態にすることで
消費や投資を活性化し
労働需給が好転して
健全に賃金が上昇する
高圧経済を実現しますとありました。

では、
高圧経済とは何なのでしょう?

国内の潜在的な総需要が
供給能力を上回り、
投資などが活発化して、
さらに需要圧力が高まる経済を言います。

要するに、
前回の記事で
解説した
ディマンドプル型インフレの
より程度が進んでいるものと
思ってもらったらよいかと思います。

高圧経済は
1956年にアメリカのエコノミストであった
ヘンリー・ウォーリックによって
提唱された概念と言われています。

最近で言えば、
2016年にアメリカのイエレンFRB議長が
言及したことで注目を浴びるようになりました。

日本のインフレ率が
GDPデフレータベースで
5%前後に上昇すると
多くの時期で生産性が大きく向上しています。

以前の日本でも、
生産性向上率が7%以上に達している時期がありました。

7%の生産性向上とは
10年続くと生産量が二倍になるという話です。

ちなみに
GDPデフレータベースで
5%のインフレということは
消費者物価指数では7%前後の
インフレ状態になります。

今、言われているインフレ率2%というのを
考えると、
かなり物価高の印象ですよね。

インフレ率が
GDPデフレータベース5%前後で推移するということは
もう無茶苦茶な好景気です。

とにかく生産すれば売れる!
という感じなので、
企業経営者は死に物狂いで投資を行います。

投資拡大は、
生産性を引き上げ生産者の実質賃金を上昇させます。

みんなが豊かになりガンガンと
消費や住宅投資を増やすため
需要がまたまた大きくなり、
供給サイドに生産性を向上せよという
強い圧力がかかり続けるわけですね。

つまりは、
高圧経済は、
英語ではハイプレッシャードエコノミーと言われています。

まとめ

  • 高圧経済とは、
    国内の潜在的な総需要が
    供給能力を上回り、
    投資などが活発化して、
    さらに需要圧力が高まる経済
  • 需要を埋めるように供給を増やす
    (生産性の向上)と、
    また新たな需要が生まれるといった
    好循環が生じる

おわりに

私は平成4年に生まれましたが、
そのころからは、
すでにデフレ化に突入していたわけです。

人生で一度でも良いので、
高圧経済を体験したいなと
思います。

微差を積み重ねていきましょう!

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