はじめに
前回の経済編の記事では、
高圧経済について
確認しましたよね。
高圧経済とは
国内の潜在的な総需要が
供給能力を上回り、
投資などが活発化して、
さらに需要圧力が高まる経済のこと。
需要を埋めるように供給を増やす
(生産性の向上)と、
また新たな需要が生まれるといった
好循環が生じる。
という話でしたよね?
思い出してもらえました?
今回は
高度成長について
整理していきましょう!
高圧経済とは?
高度成長期に
日本が毎年ものすごく経済成長をしていた時代、
今では信じられない話ですが
1955年から1973年まで
日本の経済成長率は世界最高でした。
何しろ、
毎年の成長率は
実質で10%前後に達していました。
物価上昇分を加えた
名目ではさらに凄まじい成長になります。
無論、
当時はアメリカやイギリス、フランス、ドイツなど
西側先進国も経済成長していました。
とは言っても、
日本と比べると欧米諸国の成長率は半分程度でした。
それでも
すごい成長率なんですけどね。
ところで
1955年以降の日本はなぜ
高度成長を遂げたのでしょう???
よく、当時の日本は人口が
増えていたから成長した
と説明されたりしています。
高度成長期の日本は
確かに人口は増えていましたが
総人口の増加率は1%程度に過ぎなかったのです。
1%の人口増で
10%の経済成長を説明できるのでしょうか???
あるいは
貿易立国の日本は輸出依存で成長した!
という意見を言う方もおられます。
ちょっと待ってください。
輸出をGDPで割った
輸出依存度は高度成長期は10%にも
達していませんでしたが
今が13%前後です。
実は、
高度成長期の日本は
今よりも輸出に依存していない経済だったのです。
ならば、
なぜ日本は高度成長したのでしょうか?
高度成長期の日本は
生産年齢人口15歳から64歳までの人口は
それなりに増加していました。
とは言っても
増加率は平均で1.7%程度にすぎませんでした。
わかりやすく表現すると
働き手の人口は2%も
増えていなかったということになります。
それに対して、
実質GDP成長率の平均は10%。
働き手の人口は2%も増えないにもかかわらず、
なぜ生産の量が二桁で拡大し続けたのでしょう?
・・・
・・・
・・・
そうです!!!
働き手一人当たりの生産量が
増えていったためです。
つまりは生産性の向上です。
実は、
日本に高度成長をもたらしたのは
人類史上空前と言っても過言ではない
生産性の向上なのです。
そのときの
経済は常にインフレギャップ。
高圧経済が続き
インフレ率はGDPデフレーターベースで平均5%。
モノやサービスを買いたいお客さんが、
たくさんいるわけですから
企業は喜んで
・設備投資
・人材投資
に資金を投じました。
また政府も
・交通インフラ
・電力ネットワーク
などに対する投資を拡大しました。
高速道路や高速鉄道が整備され
港湾空港も次々に建設されました。
膨れ上がる電力需要に応えるため
水力発電のダムが
次々に完成し、
生産性向上により豊かになった
日本国民はより消費を拡大させます。
そうなると、
インフレギャップを埋めても埋めても
総需要が拡大してしまい、
またもやインフレギャップ。
じゃあもっと、
生産性向上の投資だ。
と需要拡大と生産性向上が繰り返されたわけです。
まとめ
- 高度経済成長期の
毎年の経済成長率は
実質で10%前後に達していた。 - 日本に高度成長をもたらしたのは
人類史上空前と言っても過言ではない
インフレギャップに対しての、
生産性の向上。
おわりに
よく、
高齢者と会話をした時に、
昔は景気が良かったという
言葉を聞いていました。
まさにその仕組みを
文章にすると、
インフレギャップの
出現と生産性向上のサイクル
だったんだなと感じました。
もう一度、
高度成長が起こるように、
学びを継続していきます!
微差を積み重ねていきましょう!