経済の話題

潜在成長率って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
需給ギャップについて
確認しましたよね。

需給ギャップとは
供給能力と総需要の差のことであり、
デフレギャップは計算できるが、
インフレギャップは
計算できません。

現在計算に使用されているのは、
平均概念のGDPのため、
インフレギャップがプラスで
算出されるといったことになっている。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
潜在成長率について
整理していきましょう!

潜在成長率とは?

潜在成長率とは供給能力である、
潜在GDPの伸び率を意味しています。

潜在成長率は
・資本投入量
・労働投入量
・全要素生産性
の三つで構成されています。

資本や労働の投入を増やせば
供給能力が高まります。

では全要素生産性とは何なのでしょうか。

実はGDPは
資本投入や労働投入では
説明がつかないレベルの拡大をすることが
普通にあります。

理由は生産性の向上です。

資本を1増やし
労働を1増やしたところが
実際の生産量は3増えてしまった。

要するに生産性が向上したということです。

資本や労働を投じて、
どれだけ生産性が向上するかは
実は誰にも予測がつきません。

技術革新や労働者の習熟度の向上など
生産性に影響を与える要素の多くは
事前に数値化する事がほぼ不可能なのです。

というわけで
GDPが増えたとして
資本投入や労働投入では説明がつかない
生産量の拡大を
全要素生産性で説明しているわけです。

日本の潜在成長率の推移をみると
90年代は資本投入量が
大きく貢献していました。

当時は企業が
きちんと投資をしていたわけです。

それが21世紀に入って以降
資本投入量の寄与が小さくなり
労働投入量に至ってはマイナスの状況が続きました。

潜在成長率の上昇が
全要素生産性の伸びに
大きく依存するようになってしまったわけです。

しかもリーマンショック期に
一気に労働投入量が減った影響もあり
潜在成長率がマイナスになってしまっています。

潜在成長率のマイナスは
日本経済の供給能力が縮小していたことを
意味しているわけです。

しかも、2009年以降は
資本投入量までもがマイナス化しています。

企業は既存の設備の維持すらせず
投資を圧倒的に引き締めたわけですね。

結果として、
・労働投入量
・資本投入量
が共にマイナス化した。

成長する気ありませんという印象です。

ちなみに前回、
内閣府の潜在GDPは
過去の生産の平均と解説しました。

と言うことは潜在GDPの伸び率である
潜在成長率は結局のところは、
過去のGDPの伸び率の平均
という話になってしまうんです。

マスコミなどで語られる
潜在成長率は実は平均成長率に過ぎないわけです。

過去の平均成長率である以上、
潜在成長率を高める方法は
実際に経済成長すればいいわけです。

日本が経済成長して、
現実のGDPが拡大していけば
潜在成長率は勝手に伸びるのです。

何しろ繰り返しになりますが、
過去の平均成長率に過ぎないのですから。

まとめ

  • 潜在成長率とは供給能力である、
    潜在GDPの伸び率を意味している
  • 潜在GDPの伸び率である
    潜在成長率は結局のところは、
    過去のGDPの伸び率の平均となる

おわりに

日本国民の多くは潜在成長率について
日本経済の実力の伸び率と勘違いしています。

言葉の意味を
異なって解釈していると
騙されたりされるので、
整理していきたいですね!

微差を積み重ねていきましょう!