経済の話題

輸出依存度って何?

はじめに

前回の経済編の記事では、
輸出依存度について
確認しましたよね。

輸出依存度は財の輸出を
名目GDPで割ることで求めること。

日本は
相対的に経済を外国の
需要に依存していない国
すなわち、内需大国である。

という話でしたよね?
思い出してもらえました?

今回は
輸入依存度について
整理していきましょう!

輸入依存度とは?

前回、日本は
・輸出依存度
・輸入依存度
も両方とも低い国の一つと説明しました。

輸出はアメリカ、インドに次いで3番目。

輸入はアメリカに次いで
2番目に依存度が低い国が日本でした。

最も、
輸出と輸入はその経済的な性質が違います。

例えば、
日本製自動車への外国の需要が縮小したとしても、
確かに売れなくなった自動車メーカーは困ります。

とは言っても、
影響が日本国民全体に及ぶわけではありませんよね。

それに対して、
輸入している財が日本国民の生活やビジネスと直結する
必需品の場合はどうでしょう。

しかも、
それを国内で調達できないとなると
輸入依存度の小ささは
いわゆる国力には直結しません。

当たり前ですが、
国民経済で利用される
さまざまな財やサービスの自給率が
高ければ高いほどその国は安全です。

何しろ外国からの輸入が途絶えたとしても
国民は生きていくことができるためです。

というわけで、
別に日本に限らず
輸入はその中身が問題になります。

2021年の日本の輸入を
財別で見たものでは、
日本の輸入は
・食糧
・鉱物性燃料
・工業用原料
の三つだけで過半数を占めています。

鉱物性燃料とは
・石油
・石炭
・液化天然ガス
などです。

工業用原料は、
工場で製品を作るために
消費される原料のことですね。

代表的な工業用原料は
・鉄鉱石
・ボーキサイト
・アルミニウム
・マグネシウム
などです。

工業原料、鉱物性燃料は、
自然から採掘される財になります。

日本は、
輸入依存度全体としては低いものの
食糧、鉱物性燃料、工業用原料と
自然が与えてくれる恩恵の多くを
外国から輸入しているわけです。

そして、
食糧が不足すると国民が飢える。

鉱物性燃料の輸入が途絶すると
発電所の7割が停止する。

工業用原料が入ってこなくなると
多くの財やサービスを生産することが
できなくなってしまう。

無論、
すべての財やサービスを資源まで含めて
自給しなければならないという話ではありません。

外国から買えるものは輸入すればいいのです。

それにしても、
輸入が止まるかもしれないという
リスクについて少なくとも
日本で政治にかかわる人は
常に意識していかなければならないと思います。

実際に、
2020年2月24日に始まった
ロシア・ウクライナ戦争の影響で
肥料の輸入が困難になりつつあります。

結果的に、
肥料価格が高騰し農業が追い込まれつつあります。

また、
アメリカなどから
輸入している配合飼料も
過去最高の値上げ幅となり畜産業を痛めつけています。

まとめ

  • 日本の輸入は
    ・食糧
    ・鉱物性燃料
    ・工業用原料
    の三つだけで過半数を占めている。
  • 日本は、
    輸入依存度全体としては低いものの
    食糧、鉱物性燃料、工業用原料と
    自然が与えてくれる恩恵の多くを
    外国から輸入していることになる
  • 外国の情勢によって、
    輸出に制限が出ると、
    値段などの高騰が生じやすい
    リスクについては考えておく

おわりに

私たちが、
日常的に口にする食品も
実は根本を輸入に依存している。

これって、
かなり怖いことですよね。

今後は外国にもより視点を向けておく
必要性があるのかもしれません!

微差を積み重ねていきましょう!