経済の話題

インフレ時の資産運用の背景について考える

はじめに

経済から金融を学び、
そして投資の商品について
学ぶという観点で
今回はインフレ時代の資産運用の背景について
説明したいと思います!

インフレ時代の資産運用の背景って?

今日はこのインフレ時代の資産運用と
数字で見るインフレの威力と影響という
テーマで書いていきたいと思います。

今日の目標としては、
日本人のこの金融リテラシーがどうして伸びなかったのか?
という理由が今日で分かります。

前回は景気であったりとか、
インフレ、デフレという話をしました。

インフレはものの値段が上がることで、
結果としてお金の価値が下がる。

一方でデフレというのは物価が下がることによって、
お金の価値が上るということを説明しました。

インフレに関して重要なポイントの一つに、
経済が活性化するためには、
財やサービスが消費される
ことが必要になります。

これは非常に重要です。

ディマンドプルインフレが
起こったら物の値段が上がり、
企業の売り上げが上がり、
給料が上がる。

その給料を受け取った人は
また次の消費を生む。

要はお金を配ったから
景気が良くなるのではなく、
お金が世の中に回り消費されることで
景気が良くなるのではないわけです。

ネットニュースなどで、
『お金が世の中に流れたにも関わらず、
景気が上がらないから。
お金を供給するのはあまりいい対策じゃないんだ』
などの記事も見かけますが、
【お金が回った。ただ消費がされなかった】
ここがポイントなんだよ。
ということです。

ではここから早速、
旧新潟貯蓄銀行の話をしたいと思います。

旧新潟貯蓄銀行の定期預金

昔ある商品を出しました。
1915年に定期預金が出ました。
それも超長期間の定期預金。
なんと100年定期です。

100年間預けたら
1年ごとに決まった金利をお支払いしますよ。
というもので、
なんと6%複利でした。

つまり100年間ずっと
毎年6%を保証してくれるわけです。

これってじゃあどれぐらい増えるのかな?
というのをイメージしてもらうために
例えば1円を預けたとします。

その1円が、100年後どれぐらいになってるでしょうか?

・・・

・・・

・・・

正解は、339円。

つまりは339倍です。

すごくないですか?
339倍。
100年間で。

今の大学の初任給が約20万円と言われてますから、
これをもし預けたとしたら
いくらになってたかというと6780万円です。

すごいですよね。

ただ、この話には続きがあります。

実際に当時預けた預金の証書が
見つかった方がいました。

もちろん預けられた方
自身は既に亡くなられていたのですが、
その家族が証券を銀行に持って行ったんですね。

100年経過して満期が来たので解約したわけです。

なにしろ339倍です。

実際にいくら受け取れたのか。

・・・

・・・

・・・

ズバリ12000円でした。

この話から何が言えるかというと、
この100年間の間にインフレが進み、
お金の価値は変化しているんだよ。
ということです。

これは本当に重要なポイントです。

では、当時の初任給はいくらだったのでしょうか?
今の初任給は約20万円でした。

100年前の初任給、
実は35円だったんです。

35円だったのが、
今では約20万円に。

つまり5700倍になったんですね。

つまりこの話から言えることは、
339倍はもちろんすごいです。

今の銀行の利率から考えたらほとんどありえません。

ただ、
それ以上に物価の影響が勝ってしまった場合は
大したことではなくなるということ
です。

要は339倍の運用ですら、
5700倍の物価の上昇の前では意味をなさない。
という話なんですね。

つまり、
何が重要なのかと言うとインフレに
負けない運用が資産を守るために必要ですよ
ということなんですね。

では、
このインフレに負けないという目線がやはり大切なんだというのを
改めて知ってもらった上で、
ここから日本と外国の背景について、
経済の話を進めていこうと思います。

歴史なところになりますが、
1970年代から日本は高度経済成長というものが起こり、
ディマンドプル型インフレが起こっていました。

例えばじゃあどれぐらいだったのか?って言うと、
給料は毎年10%程度アップし、
物価も6%など上がっていました。

高くなったけど給料上がったから買えるよね。
という時代だったんです。

かなり景気が良いわけです。

銀行の金利というのも5%など。

そんなにお金を使う趣味がないから、
まあお金貯めとこうといってた人はいつの間にか増えてるね。
というのが目に見えて分かってた時代だったんです。

ではこの1970年代からのこの高度経済成長がいつ終わったかというとはい、
残念ながら1992、93 年といわれています。

ここからデフレが続いたんです。失われた30年ですね。

デフレがこの1990年代前半からずっと続いてたんだよ。
というのここで知っておいてください。

では、なぜこのデフレが重要なのか?
前回の記事にもあったように、
デフレというのは経済の大病です。

1年でもデフレになったら政治が大失敗という風に
言われるものが30年間続いてるんです。

こんな国は世界で日本だけなんです。

歴史上初の国なんですね。
不名誉な意味で。

ではこのデフレがなぜ僕らの
お金の考え方に影響してくるの?
というとデフレは物の値段が下がります。

その結果、お金の価値は上がります。

物の値段が下がるので、
同じ100円でも買えるものが増えるわけですから、
お金の力が相対的に多いということになるんですね。

なのでデフレの時は、
別に運用など物価に負けないぞ
などを考えなくても困らなかったわけです。

言えば、
財布にずっと入れていて、
金利が発生しない状態でも物の値段が下がり、
1000円でより多く物が買えるようになった。

安くなってラッキーという
時代がずっと続いてたんですね。
(生産者から見たら悪いことです)

運用なんかしなくても別に困らない

ただ、このデフレは経済の病なので、
国はこれをなどうにかしないといけないというところで、
2013 年にあるものを制定しました。

日本銀行がデフレというのは本当にヤバいから、
それを脱出しましょうね。

ところで、
インフレターゲット?

インフレを世の中で社会でやっぱ起こしていきましょう。

年間2%まではインフレさせていこう!と
言い出したのが2013年の1月です。

ここまでの流れを知ってもらった上で、
何がじゃあ重要なのか?

ここが今回の中で
本当にポイントになるところです。

日本で特に金融リテラシーが
伸びなかったのかと言われている原因1つに
デフレを経験しすぎて、
運用の必要性を体験しなかった
ことが挙げられます。

そんなデフレだったから良かっただけの方法を
インフレの時も実践しようとしている
のがまずいわけです。

ただ、多くの人が
『今デフレですか?インフレですか?』と聞かれると、
『ん?なんのことですか?』となり

『金融投資してますか?』
『投資は怖くてね』
というような解答が
多いと思います。

これは本当に怖いことです。

何が怖いかっていうと
デフレだったからたまたまよかっただけの方法で、
インフレが今起こってます。

実際に去年は物価が4%上がりました。

インフレに突入していることを知っていないと
いうのが一番まずい背景なんです。

今の世代もこのような現状をまだ把握できていない。
また親の世代とかも、
『自分たちは運用しなくてもよかった』
なので、
『お金の管理ってどういう風にしたらいいの?』
というよう問いかけに対して

『貯金しとけばいいよ。
私たちの時は貯金で別に困らなかった。
だから、あなたも貯金しなさい。』
というようなフレーズのまずさというのが、
歴史の背景、経済の流れを知ってもらえると、
とても怖いことといえます。

なので、
知っている人と知らない人の
情報格差が本当に資産格差に繋がっている。
というのはあながち当然なのかもしれません。

おわりに!

現在は多くの情報が氾濫するまさに
インフォデミックと言われています。

インフォデミックとは、
ネットなどで噂やデマも含めて大量の情報が氾濫し、
現実社会に影響を及ぼす現象を指しています。

「情報(Information)」と、
感染症の広がりを意味する
「エピデミック(Epidemic)」
を組み合わせた造語です。

そのため、
お金を増やすだけでなく、
守るためにも学ぶ必要があり、
良質の情報選択判断を自分でできるようになる
ことが求められます。

『物価は毎年10%上がるんですよ。だから20%くらいの商品でないとだめですよ。』
などを言われた時に
『そうなの?だったらそのリスクで行こうか』
となるのか、
『いや、国の設定しているインフレターゲットって2%じゃないですか?』

となるのかは大きな違いです。

だからこそ、
守るためにも経済から金融そして投資というものを体系立てて
学ぶことは重要になります。

なので、
ぜひとも経済について、
一緒に学んでいけたらと思ってます。