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膝の痛みが和らいでもメンタルヘルスは改善しない?最新研究が示す事実

多くの人が悩んでいるので今回はその解決策を紹介します。膝の痛みが和らいだとしても、メンタルヘルスの改善には直結しないことがあるようです。米ワシントン大学医学部のAbby Cheng氏らの研究によると、身体機能や痛みが大幅に改善しても、不安症状は軽減するが、抑うつ症状は軽減しないことが明らかになりました。この研究の詳細は「JAMA Network Open」に掲載されています。

研究の概要

この研究は、ワシントン大学病院整形外科で2015年6月22日から2022年2月9日の間に筋骨格系の治療を受けた成人患者11,236人を対象に行われました。患者は、受診のたびに患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)に回答し、不安と抑うつの症状、身体機能、痛みの影響をスコア化しました。

主な研究結果

研究の結果、身体機能の改善と痛みの軽減は、不安症状の統計学的に有意な軽減と臨床的に意味のある改善と関連していることが分かりました。しかし、抑うつ症状の軽減については、身体機能の改善や痛みの軽減と統計学的に有意な関連があるものの、臨床的に意味のある改善ではありませんでした。

研究者のコメント

Cheng氏は、「身体的な健康が大幅に改善しても、不安症状はいくらか軽減するが、抑うつ症状は軽減しない点が興味深い」と述べています。彼は、患者の感じるウェルビーイングが重要であり、痛みがなくなり身体機能が向上したからといって、必ずしもウェルビーイングが改善するわけではないと指摘します。

さらにCheng氏は、「われわれの目標は、単に患者の股関節や膝を治すことではなく、患者全体を治療することです。身体的な問題は気分や不安、抑うつ症状と関係しているため、総合的なケアが必要です」と強調しています。

他の研究との比較

他の研究では、特定の筋骨格系の問題を治療することで精神的な症状が改善するという結果も報告されています。Cheng氏は、「手術後に一時的に不安が軽減しても、長期的には再発する可能性がある」と述べており、不安の原因が整形外科的問題と関係なくなる場合もあると指摘しています。

結論

この研究は、身体的な痛みや機能の改善がメンタルヘルスに与える影響についての新たな視点を提供しています。患者の総合的なケアが必要であり、身体的な治療と共にメンタルヘルスの支援も重要であることが示唆されています。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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