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多くの人が悩んでいるので今回はその解決策を紹介します。オーストラリア・シドニー大学のWing S. Kwok氏らの研究によると、週に150分以上の余暇運動を行う高齢女性は、けがを伴う転倒およびけがを伴わない転倒のリスクが有意に低減することが明らかになりました。この研究結果は、「JAMA Network Open」誌2024年1月31日号に掲載されています。
研究の背景
世界保健機関(WHO)は、心身の健康のために週150~300分の中強度の運動を推奨しています。しかし、これまでの研究では、運動量と転倒や転倒によるけがとの関連性に一貫性が見られませんでした。そこで、研究グループは高齢女性における余暇の運動量や種類と、転倒のリスクとの関連を調査しました。
研究の方法
この研究は、オーストラリア女性の健康に関する縦断研究(ALSWH)のデータを基にしています。1946~51年生まれの女性7,139人(平均年齢67.7歳)を対象に、2016年から2019年にかけて追跡調査を行いました。2016年の調査では、運動の種類(早歩き、中強度の運動、高強度の運動)と週あたりの運動量(0分、1~150分未満、150~300分未満、300分以上)を聴取しました。2019年の調査では、過去12ヵ月間の転倒とけがの有無を聴取しました。
研究結果の概要
- 転倒の発生率
- 7,139人中2,012人(28.2%)が過去12ヵ月間に転倒を経験。
- 996人はけがを伴わない転倒、1,016人はけがを伴う転倒を報告。
- 運動量と転倒リスク
- 運動をしなかった(0分/週)群と比較して、1~150分/週の運動を行った群ではけがを伴わない転倒のリスクは有意に低減しませんでしたが、150~300分/週群ではオッズ比0.74(95%信頼区間[CI]:0.59~0.92)、300分以上/週群では0.66(0.54~0.80)でリスクが低減しました。
- けがを伴う転倒についても同様に、150~300分/週群ではオッズ比0.70(0.56~0.88)、300分以上/週群では0.77(0.63~0.93)でリスクが低減しました。
- 運動の種類別リスク
- 早歩き(OR:0.83[95%CI:0.70~0.97])、中強度の運動(0.81[0.70~0.93])、中~高強度の運動(0.84[0.70~0.99])は、けがを伴わない転倒のリスクを有意に低減。
- 高強度の運動はリスク低減の傾向が見られましたが、有意ではありませんでした(0.87[0.74~1.01])。
- すべての運動の種類とけがを伴う転倒との間には統計学的に有意な関連は認められませんでした。
研究の結論
この研究は、週150分以上の中強度の運動が高齢女性において転倒リスクを低減することを示しています。運動の種類によっても転倒リスクの低減に違いがあることが分かりましたが、けがを伴う転倒に対する効果には限界があることも示されています。運動習慣を持つことが、高齢女性の転倒予防に有効であることが明らかになりました。
この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。
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