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債券投資の基本とリスク:低金利時代に選ぶべき理由

多くの人が悩んでいるので今回はその解決策を紹介します。長引く低金利時代の日本では、個人投資家が購入できる「個人向け国債」も、2023年8月募集の「変動10」が0.39%、「固定5」が0.14%(いずれも税引き前)と非常に低い利率です。これでは、銀行の定期預金よりはましですが、魅力を感じにくいかもしれません。

しかし、債券は元来、株式と並んで存在感のある主要な金融商品です。通常の資産運用では、資産を株式と債券に半分ずつ振り分けるのが基本であり、日本の年金もこの比率で運用されています。

債券の基本

債券とは、発行体にお金を貸し、その代わりに毎年利息を受け取り、満期には元本が返却される金融商品です。発行体が破綻しない限り、元本が保証されるため、預貯金に次ぐローリスクな投資といえます。

リターンとリスクの関係で見ると、一般的には次の順にローリスクとなります:

  1. 預貯金
  2. 債券(国債など高格付けのもの)
  3. 投資信託(商品によってリスク・リターンはさまざま)
  4. 株式

債券のリスク

しかし、債券には発行体が破綻したり、デフォルト(債務不履行)に陥ったりするリスクがあります。この場合、最悪、元本がすべて失われてしまいます。こうしたリスクを認識するために、債券には発行体の信用度に応じた格付けが付与されています。

格付けは「トリプルA」から「ダブルB」以下まであり、「トリプルB」以上は投資適格格付け、それ以下は投機的格付けとされています。投機的格付けの債券は利回りが高いですが、リスクも増します。

債券価格と利回りの関係

債券は償還時に元本が返ってきますが、その間、経済や金利の状況に応じて価格が変動します。例えば、10年満期で表面利率5%の債券を100ドルで購入したとしましょう。その後、インフレでお金の価値が下がると、10年後に戻ってくる100ドルの実質価値は低くなります。すると、100ドルを貸してくれる人が減り、債券価格が下落します。

価格が90ドルに下がると、利金5ドルを90ドルで割ると実質的な利回りは5.55%に上昇します。さらに、90ドルで買っても償還時には100ドルが戻ってくるため、最終的な利回りはさらに高くなります。

このように、債券価格は金利の状況に応じて変動し、その動きと反比例して実質的な利回りも変化します。高格付けの債券を選ぶことで、安定した資産運用が期待できます。例えば、アップルの社債は格付けがダブルAプラスで、デフォルトのリスクが低いとされています。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。