多くの人が悩んでいるので今回はその解決策を紹介します。関西出身の知人がこんな愚痴をこぼしていました。
「自分が関西人だからというだけで、『この人は面白い人に違いない』『話にはオチを求めているはずだ』と決めつけられることが多いんです。自分はそういうタイプじゃないし、オチなんかつけられないから、会話がストレスになることがあります。」
当然、関西人全員が話に面白いオチをつけるわけではありません。しかし、関西人=面白い、関西人=オチを求める、といった決めつけをする人がいます。こうした決めつけが、相手を「会話が苦手」に仕向ける可能性があるのです。
決めつけの具体例
「北国の生まれだから口数が少ない」 「育休から戻ったばかりなのに、きつい仕事をさせるのはかわいそうだ」 「君の将来のために、そろそろ身を固めたほうがいい」
こうした一方的な決めつけは、相手にストレスを与えたり、傷つけたり、怒らせたりすることがあります。無意識のうちに決めつけや思い込みが働くことを「アンコンシャス・バイアス」と呼びます。これは、気持ちよく雑談をする上で障害となり得ます。
誤解を生む4つの「決めつけ」バイアス
アンコンシャス・バイアスの中でも、特によくある典型的な4つのパターンを紹介します。自分にこの傾向がないか、チェックしてみてください。
固定観念や思い込みで決めつける(ステレオタイプ)
偏見や差別を生む土壌になりがちです。
- 例:「東大卒だから、彼は頭がいい」「彼女は東北出身だから無口だ」
よかれと思って言ってしまう(慈悲的差別)
相手のためを思って言ったことが、実は相手の望んだことではない場合があります。
- 例:「ママはずっとあなたを見てきたの。芸人なんて向いていません!」「あなたはまだ入社したばかりだから、軽い仕事をやればいいよ」
自分の正当性を証明しようとする(確証バイアス)
自分に都合のいいデータを集め、都合の悪いものは無視する。
- 例:「山田部長も私と同じ意見だ。A案のほうがいい」「佐々木はラグビー部出身だから、このくらいの仕事は耐えられるはず」
成功例の押しつけ(成功者の経験)
自慢話によくあるパターンで、成功者の経験を例に挙げて「あなたにもできる」と言ってくる。
- 例:「私も必死に勉強して資格に合格したんだ。君にもできるよ」「輝かしい歴史と伝統のある我が社だ。この危機も乗り切れる!」
「決めつけ」バイアスから逃れる方法
アンコンシャス・バイアスを克服する方法はシンプルです。「私の発言にも、必ずアンコンシャス・バイアスが含まれている」と意識することです。具体的には、次のことに注意してみてください。
A=Bの精神を疑う
「Aは必ずBと言えるのだろうか?」と一度考えるクセをつけましょう。断定的な言い方はわかりやすいですが、普遍的な真理でない限り、簡単に断定することは避けるべきです。
本当に相手のための発言になっているかを疑う
よかれと思って言ったことが、相手の望んだことではないこともあります。相手の気持ちに立たないとわからないことも多いので、発言する前に一度考えてみてください。
自分の主張が公平な意見かを疑う
自分の都合の良い情報だけを集めていないか、俯瞰して自分の意見を見直しましょう。正当化しようとする確証バイアスがかかっていないかを確認することが重要です。
例として取り上げたことが言いたい事柄を証明しているかを疑う
「AはBだった。だから、CもBである」という意見は、「A=C」を証明できないと成り立ちません。論理的に証明できる話か、元の例文に戻って見てみましょう。
まとめ
ポイントは「自分の中の決めつけ、思い込みがないかを疑うこと」です。雑談の際も、「これはもしかすると、私の偏見かも」と思うクセをつけてください。常にこうした視点で物事を見て発言することで、相手からも話しやすい人になるはずです。この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。