多くの人が悩んでいるので今回はその解決策をお話しします。倒産の原因は大きく分けて「戦略に問題があったケース」と「マネジメントに問題があったケース」の2つがあります。それぞれの分類について、具体的な事例を見ていきましょう。
戦略に問題があったケース
過去の亡霊型: ポラロイド
ポラロイドは、天才発明家エドウィン・ランドが設立し、インスタントカメラで大成功を収めました。しかし、変化に対応できずに倒産してしまいました。カメラ業界の巨人コダックが現像時間を60分まで短縮し、さらに日本企業が高画質なコンパクトカメラを投入することでポラロイドの優位性は失われました。
1980年代半ば、ポラロイドはデジタル化に踏み出す機会がありましたが、既存のロジックにとらわれ、デジタル技術の可能性を見逃してしまいました。その結果、1995年にデジタルカメラの時代が到来すると、ポラロイドは時代遅れとなり、連邦倒産法11章を申請することになりました。
脆弱シナリオ型: 鈴木商店
鈴木商店は1874年に神戸で創業し、一時は三井・三菱と肩を並べる総合商社に成長しました。しかし、第一次世界大戦後の不況と関東大震災の影響で経営が悪化し、1922年のワシントン海軍軍縮条約の影響で造船所の不良在庫が発生しました。資金調達先が台湾銀行に依存していたため、新規融資が停止され、倒産に至りました。
この例から学べるのは、事業の中核が不安定であり、資金調達先に依存しすぎると経営が危機に陥るという点です。
マネジメントに問題があったケース
焦りからの逸脱型: 千代田生命
千代田生命は1904年に創業され、戦死者の遺族へ保険料を支払うことで成長しました。しかし、業界の競争激化により、新社長がリスキーな投融資を行い、バブル崩壊後にそのリスクが顕在化しました。結果として更生特例法の手続きを申請することになりました。
この事例から学べるのは、過去の栄光にとらわれず、冷静な意思決定を行うことの重要性です。
大雑把型: スカイマーク
スカイマークは1996年に設立され、低価格化を実現しましたが、大手の抵抗に遭い赤字経営に転落しました。新社長が高収益体質に生まれ変わらせましたが、LCCの参入に対抗するために「格安・長距離国際線」に挑戦し、資金繰りが悪化しました。結果として民事再生法を申請することになりました。
航空業界では「攻め」より「守り」が重要であり、リスク管理が欠如していると経営が崩壊する可能性が高いことが分かります。
機能不全型: タカタ
タカタは1933年に創業し、2000年頃には世界第二位のエアバッグメーカーに成長しました。しかし、2014年に「タカタショック」と呼ばれる大規模リコールに直面しました。リコールの原因は、品質管理不備と経営者が現場を把握していなかったことにあります。
リーダーは、組織内部の意思疎通が十分にできているかを確認し、現場の実情を理解することが重要です。