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腰痛に効果的なコルセットの選び方と正しい使い方

多くの人が腰痛に悩む中で、コルセットや腰痛ベルトを使用するのは一般的な対処法の一つです。しかし、コルセットにはさまざまな種類があり、自分の状態に合ったものを選ぶことが重要です。今回は、当院で使用されているコルセットの種類と、その選び方や注意点についてご紹介します。

コルセットの種類

コルセットは主に脊椎の疾患や痛みの緩和に使用され、患部の安静を目的としています。以下のような種類があります。

  1. 硬性コルセット
    • 材質・形状: プラスチックや金属で体幹を覆うように作られています。
    • 目的: 屈伸や側屈、回旋を制御し、脊柱を全方向に強固に固定します。
    • 適応例: 胸腰椎の圧迫骨折や炎症、腫瘍、術後の固定に使用されます。
  2. 軟性コルセット
    • 材質・形状: メッシュ素材を主体とし、必要に応じてプラスチックや金属を使用しています。ダーメンコルセットが代表的です。
    • 目的: 腹圧を上昇させることで脊柱への荷重を軽減し、運動制限により脊柱を安定化させます。
    • 適応例: 椎間板ヘルニア、すべり症・分離症、圧迫骨折の保存療法に使用されます。
  3. 軟性装具
    • 材質・形状: メッシュ素材で伸縮性の高いベルトを使用しています。
    • 目的: 腹圧を上昇させ、脊柱への負荷を軽減し、安定性を高めます。
    • 適応例: 腰痛や腰椎疾患の固定術後に使用されます。

コルセット装着時の注意点

コルセットを効果的に使用するためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 装着位置: コルセットの下端が腰骨にしっかりとかかるように、適度にきつく装着しましょう。
  • 装着のズレ: 動作によってコルセットが上方にずれることがあるため、適宜正しい位置に装着し直すことが必要です。
  • 局所への負担: 金属部が肌に当たる場合は、タオルを挟んで肌を保護しましょう。
  • 装着の締め具合: 緩すぎると効果が発揮されません。適切な締め具合で装着し、息苦しさや動きにくさを感じても少し耐えましょう。
  • 臥床時の装着: 通常、臥床時にはコルセットを外すことが推奨されますが、医師の指示がある場合はその指示に従ってください。

コルセット使用による弊害と予防策

長期間コルセットを使用すると、体幹の動きが制限され、柔軟性や筋力が低下するリスクがあります。特に、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群といった「コルセット筋」と呼ばれる深層のインナーマッスルは、脊柱の安定に重要な役割を果たしています。これらの筋肉が弱くなると、バランスを崩しやすくなるため注意が必要です。

コルセットを使用していない方でも、年齢とともに体幹筋の筋力低下は避けられません。適切な運動で体幹を強化し、健康的な生活を維持することが大切です。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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