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脱水症状の種類と対策: 高張性・等張性・低張性脱水を徹底解説

多くの人が夏に向けて気になる脱水症状。今回は、脱水の種類とその対応策について詳しく解説します。体液の喪失により、体内のナトリウム濃度が変化し、脱水が引き起こされます。これらは「高張性脱水」「等張性脱水」「低張性脱水」に分類され、それぞれの特徴と対応が異なります。

1. 高張性脱水(高ナトリウム血症を伴う脱水)

高張性脱水は、体液が濃縮され、ナトリウム濃度が上昇した状態を指します。十分な水分補給が行われなかった際に発生しやすく、特に高齢者や乳児で注意が必要です。

  • 原因: 下痢、嘔吐、発汗(特に水分補給が難しい場合)、尿崩症など
  • 症状: 口渇、倦怠感、発熱、精神症状(興奮や傾眠)、痙攣、意識障害
  • 治療: 低張液の輸液が推奨されます。

2. 等張性脱水

等張性脱水は、水分とナトリウムがほぼ同じ割合で失われた状態です。

  • 原因: 出血、熱傷など
  • 症状: 倦怠感、脱力、立ちくらみ、めまい、意識障害
  • 治療: 等張液の輸液が基本ですが、重度の場合は高張液の輸液も考慮されます。

3. 低張性脱水(低ナトリウム血症を伴う脱水)

低張性脱水は、ナトリウムが不足して体液が薄まった状態です。体液喪失後に低張な水分を多量に摂取すると発生します。

  • 原因: 下痢、嘔吐、発汗など
  • 症状: 倦怠感、脱力、頭痛、立ちくらみ、めまい、悪心・嘔吐、痙攣、意識障害
  • 治療: 等張液の輸液が適しており、重度の場合は高張液の輸液も検討します。

脱水への対応と注意点

脱水時は、まず安静にし、室温管理にも注意が必要です。真水を大量に飲むのは逆効果となる場合があり、特に低ナトリウム血症を引き起こすリスクがあるため、スポーツドリンクや経口補水液を使用するのが理想的です。

脱水のサインを見極めるポイント

  • 舌の湿潤状態: 適度な潤いがあるか確認。乾燥やひび割れが見られる場合は脱水のサインです。
  • 皮膚の状態: 皮膚が乾燥していないか、鱗屑がないか確認します。高齢者では皮膚をつまんで10秒以内に戻らない場合は注意が必要です。
  • 尿の量・色: 1日1000〜1500mlの尿量があり、色が薄黄色〜黄褐色なら正常です。尿量が少なく、色が濃い場合は脱水の可能性があります。
  • その他の症状: 脱力感、全身倦怠感、血圧低下、発汗の消失、心拍数の増加、体重減少なども脱水のサインです。

夏に向けた対策

夏場はエアコンを適切に使用し、栄養バランスの良い食事と水分補給を心がけることが重要です。今年の夏も健康に過ごせるよう、体調管理をしっかり行いましょう。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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