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足関節(足首)の構造と機能:ケガ予防と強化方法

多くの人が足首の痛みやケガに悩んでいるので、今回は足関節(足首)について詳しく解説します。

足関節(足首)とは?

足関節、一般的に「足首」と呼ばれる部位は、骨、靭帯、腱、筋肉が複雑に絡み合って構成される非常に重要な関節です。体重を支えながらも、自由な動きを可能にする役割を果たしています。特にスポーツにおいては、足首は負荷がかかりやすく、ケガが多発する部位でもあります。バスケットボール、サッカー、アメリカンフットボールなどでは足首の負傷率が高く、特に女性競技者は男性よりも軽度の足首捻挫が25%以上多く見られます。

足関節の種類

**距腿関節(きょたいかんせつ)**は、蝶番関節に分類されます。これは、距骨(きょこつ)の凸曲面と脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)の凹曲面がかみ合って形成され、一方向にのみ動く特性を持ちます。足首を前後に動かす底屈(屈曲)と背屈(伸展)は、この距腿関節で行われます。

**距骨下関節(きょこつかかんせつ)**は顆状関節に分類され、距骨の下にある踵骨(しょうこつ)との間に位置します。外転や内転、回外や回内といった2軸性の動きを可能にし、距骨下関節と距腿関節が連動することで、足首は円運動が可能になります。

足関節の可動域

  • 距腿関節
    • 底屈(屈曲): 45°
    • 背屈(伸展): 20°
  • 距骨下関節
    • 外転: 10°
    • 内転: 20°
    • 回外: 30°
    • 回内: 20°

足関節を構成する骨

  • 脛骨(けいこつ): 下腿部の内側に位置し、体重を支える主要な骨です。足首の内果(内くるぶし)を形成します。
  • 腓骨(ひこつ): 下腿部の外側に位置し、直接体重負荷には関与しませんが、筋肉の付着部として重要な役割を持ちます。足首の外果(外くるぶし)を形成します。
  • 踵骨(しょうこつ): 足の中で最も大きく強い骨で、かかとを形成し、距骨からの体重を地面に伝えます。アキレス腱の付着部でもあります。
  • 距骨(きょこつ): 脛骨、腓骨、踵骨の間に位置し、足と下腿を繋ぐ役割を果たし、歩行時のバランスを保つために重要です。

足関節を支える靭帯

  • 内側(内反側)
    • 三角靭帯(さんかくじんたい): 4つの靭帯から構成され、内果から距骨、踵骨、舟状骨に広がり、足の外反時に安定性を提供します。
  • 外側(外反側)
    • 前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい): 外果前方から距骨に付着し、底屈時に緊張し、内反の動きを抑えます。
    • 踵腓靭帯(しょうひじんたい): 外果の先端から踵骨に付着し、内反時の主要な抑制力を提供します。
    • 後距腓靭帯(こうきょひじんたい): 外果後方から距骨の後面に付着し、距骨の後方移動を制限します。

足関節を動かす筋肉

足関節に関与する筋肉は下腿部に集中しており、下腿部は4つの区画(コンパートメント)に分かれています。各区画には異なる筋肉が含まれ、足首や足趾(つまさき)の運動に影響を与えます。

  • 前方区画: 前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋が含まれ、主に足首の背屈を行います。
  • 外側区画: 長腓骨筋、短腓骨筋が含まれ、足首の底屈と外反を担当します。
  • 後方浅部区画: 腓腹筋、ヒラメ筋が含まれ、足首の底屈を行います。
  • 後方深部区画: 後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋が含まれ、足首の底屈に関与します。

まとめ

足関節は、体重を支え、自由な運動を可能にする非常に重要な関節です。その複雑な構造は、スポーツや日常生活での多くの負荷に対応していますが、ケガが多発しやすいため、靭帯や筋肉の強化と適切なケアが重要です。この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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