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プライマリーバランス黒字化の誤解:財政破綻論に騙されないために

プライマリーバランス黒字化目標の誤解とその影響

多くの人が悩んでいるので、今回は「プライマリーバランス(PB)黒字化目標」という財政政策の大きな誤りについて解説します。プライマリーバランスとは、税収から国債などの返済を除いた支出と収入のバランスを指し、このバランスを黒字にすることが目標とされています。家計に例えると、収入が生活費を上回る状態にするということですが、実はこの比喩自体が根本的に間違っているのです。

政府の財政と家計は全く異なるものであり、政府は必要に応じて通貨を発行する能力を持っています。そのため、PBの黒字化を目指すことが必ずしも必要ではありません。家計のように収支のバランスを気にする必要はなく、無理に黒字化を追求することで経済に悪影響を与えることもあります。

2018年に閣議決定された「骨太の方針」では、PB黒字化目標の達成が2020年から2025年に延期されましたが、目標自体は残されています。この目標が存在し続ける限り、根拠のない「財政破綻論」が世間に広まり続けるのです。

財務省は「国の借金が1,100兆円、国民1人あたり870万円」といった数字を強調し、メディアを通じて財政危機を煽り続けています。しかし、このような主張は、政府の財政と家計を混同させるトリックを用いた誤解です。多くの政治家もこの誤解に騙され、国民に不要な不安を抱かせています。

政府は通貨を発行する権限を持つため、PB黒字化に固執する必要はありません。むしろ、積極的な財政出動を行うことで、経済を安定させることが求められます。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。