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観光立国のリスクとカジノ法がもたらす危険性を考える

観光立国とカジノ法がもたらす問題点

多くの人が悩んでいるので、今回は「観光立国」政策とカジノ法がもたらすリスクについて考えてみましょう。政府は「インバウンド」として訪日外国人の増加を強調し、日本を観光立国として位置付けようとしていますが、この方向性には深刻な問題が潜んでいます。

まず、訪日外国人の多くは韓国、中国、台湾、香港からの観光客が中心で、全体の73%を占めています。これに対し、欧米やオーストラリアからの訪問者はわずか14%にすぎません。訪日観光客の増加は喜ばしいことのように見えますが、その多くが不安定な外交関係にある国々に依存している点はリスク要因です。さらに、外国人訪問者の4割は観光目的ではなく、ビジネス目的であり、これらの人々が日本で稼ぐ意図を持って訪れている点も見逃せません。

もう一つの問題は、観光客の増加に伴い、民泊の増加による宿泊料金の低下競争が激化していることです。サービスの質が低下し、老舗旅館の閉鎖が進む中、デフレ不況下でこの競争が続けば、日本の経済全体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、訪日観光客によるマナーの問題も深刻化しており、京都の祇園では撮影禁止などの措置が取られました。

さらに重要なのは、観光による経済効果の限界です。最新の統計では旅行収支は1.3兆円の黒字となっていますが、これは日本のGDPのわずか0.26%に過ぎません。マスコミはこの数字をもとに日本経済が好転しているかのような幻想を広めていますが、この程度の収益では経済全体へのインパクトは極めて限定的です。政府が観光に頼りすぎることで、他に必要な経済対策を怠っている現状が問題なのです。

また、カジノ法案(IR実施法案)の成立も観光立国政策の一環として進められています。しかし、カジノ収入の7割が外資系賭博事業者の懐に入ることを考えれば、日本国内に残る経済効果は限定的です。さらに、カジノの導入に伴い、貧困層の増加や賭博依存症の問題も懸念されます。カジノ導入が日本経済の本質的な問題解決にはならず、むしろグローバリズムによる外資依存が進むばかりです。

日本が本当に目指すべきは、観光立国ではなく、内需拡大とそれに見合った供給力の強化です。経済活動が活性化すれば自然と国は魅力を増し、観光客も自ずと増えるでしょう。今こそ、デフレ脱却に向けた強固な経済政策が必要です。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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