投資はあくまで余裕資金で、長期的な視野で計画的に行おう
新NISAの「生涯投資枠1,800万円」は、非課税で資産を運用できる魅力的な制度です。しかし、1,800万円という大きな枠を埋めることが「入金ゲーム」のように急がれるとしても、やはり投資は余裕資金で行い、気長に続けることが大切です。今回は、無理なく新NISAを活用するためのポイントや、税制を最大限に活用する方法を解説します。
1,800万円の新NISA枠をゆっくり埋める方法
新NISAの最大のメリットは「非課税で一生運用できる」という点です。毎月の投資額が少なくても、長期的に続けることで資産を効率的に増やすことができます。たとえば、毎月3.3万円、年間40万円の投資で考えると、1,800万円の枠を使い切るまで45年かかります。これは、25歳で投資を始めた場合、69歳までコツコツ積み立てる計算です。途中で無理をする必要はなく、余裕資金の範囲内で積み立てを続けることがポイントです。
毎月20万円の積立で7.5年で達成
月々の余裕資金が多く、毎月20万円の積立が可能な場合、年間240万円を投資に回すことができます。このペースなら、1,800万円の新NISA枠を約7.5年で使い切ることが可能です。投資資金は「月収−生活費」の範囲内で無理なく設定し、貯金を切り崩すことなく、投資枠を早期に達成する方法として効果的です。
資産ポートフォリオのバランスを意識しよう
例として、月々20万円の積立で1,800万円の枠を使い切った後の資産ポートフォリオは「現金33.3%、株式66.6%」となります。現金比率は決して高くありませんが、現金1,000万円があれば株価が暴落した際も安心して保有を続けられます。たとえば、生活費が月30万円の方であれば、万が一収入が減少しても5年間は生活できる資産が確保できる計算です。
新NISAの枠を埋めた後は、現金比率を増やす
新NISAの投資枠を使い切った後、さらなる追加投資をするか迷うかもしれませんが、現金比率が低くなっている場合は、無理に株式の比率を高めるよりも、貯金に励んで現金比率を調整することが大切です。株式市場には変動リスクがつきものですので、現金資産を一定額確保しておくことで、資産全体の安定性が保たれます。
少額資産で始めるなら貯金と新NISA投資のバランスが大切
まだ十分な貯金がない場合、例えば100万円や200万円程度の方は、月々の余裕資金の半分を貯金に回し、残り半分を新NISA投資に充てるなど、無理のないペースで積み立てましょう。生活に必要な現金の余裕を持ちつつ、計画的に新NISAを活用することが重要です。
特定口座資産を新NISAに移し替える戦略
2024年以降、新NISAでは年間360万円、最大1,800万円までの非課税運用が可能となります。この枠を活用するため、特定口座にある資金は早い段階で現金化し、新NISAに移し替えるのが得策です。たとえば、2023年以前に旧NISAや特定口座で保有している資産がある場合、旧NISAの100万円は非課税枠を維持しつつ、特定口座の100万円は売却して新NISAに移すことで、最大限の非課税効果を得られます。
まとめ
新NISAの1,800万円の非課税枠を攻略するには、長期的な視野で計画的に資産を運用することがポイントです。無理に資金を急いで投入するよりも、月々の収入と生活費に応じた余裕資金でコツコツと積み立てを続けましょう。また、特定口座にある資産は新NISAの投資枠が空いているうちに移し替え、将来の税負担を軽減しましょう。余裕をもって投資を楽しみながら、安定した資産運用を目指してください。この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。